秋元 貴美子/穴吹 有希/服部 一人/八木 元春
- 会期
- 2023年12月1日(金)〜12月7日(木) 11:00〜19:00
秋元 貴美子(あきもと きみこ)プロフィール
『闇の呼び声 〜発露〜』
穴吹 有希(あなぶき ゆうき)プロフィール
『今も同じ』
服部 一人(はっとり かずと)プロフィール
『アフリカの日々 雨期の喜び』
八木 元春(やぎ もとはる)プロフィール
『9,300,000』
ソニーイメージングギャラリー 銀座
作品解説
その声を聞いてはいけない
その道を渡ってはいけない
その手を取ってはいけな・・・い?
日々の呼吸のなかで、ふと何かが違うと感じる
何かが目の端を横切る
ドラマのシーンの繋ぎを失敗したかのように一瞬ずれる
意識は底へ底へと降りていく
光のない真っ暗闇のなか、気配がする
現れたのは誰?
眼を開けてみる
気づけば目の前の景色には闇が息づいている
ひたひたと 寄せては返す
埼玉県生まれ。
日本大学芸術学部写真学科卒業後、同大学院を経て、現在、同大学勤務。演習授業等で多くの学生の作品制作をサポート。
作家としては、生きることは旅という視点で、自然に還るために都市に活き、都市に生きるために自然に帰る旅を続け、都市風景などのスナップや心象を主とした自然風景などで作品を発表。特に国内では地水火風空の5つのエレメンツに着目した光景や異空間としての聖地を探し取材を続けている。近年、マルタ共和国の魅力に惹かれ、「Malta三部作」を発表した。
また、高校生の写真活動の研究をライフワークとし、全国の<高校写真>のサポーターとしても活動している。
公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員,日本写真協会会員 日本写真芸術学会
永遠と降り続ける雨よりも
夏の夜の生温い風よりも
うんと強くこころを締めつける
あの人は甘くて良い香りって言うけれど
僕は少し切ない気持ちになるんだ
知らないだけなのかもしれない
考えすぎなのかもしれない
不安な気持ちの隣には
金木犀の香り
1984年香川県生まれ。
日本大学芸術学部写真学科卒業後、同大学写真学科助手を経て、現在、同学科准教授として勤務。写真の基礎を教えると同時に、画像処理やサイエンスフォトなどの授業では新たな発見をテーマに、学生の作品制作へつながる授業を展開している。日常の中の何気ない風景をモチーフにし、シフトレンズを使用したボケ感に特徴のある作品制作をライフワークとしている。近年は新たなデジタル写真の技術や技法を様々な美術分野の表現技法と融合した写真作品を制作している。
公益社団法人日本写真協会会員 日本写真芸術学会会員
他多数
アフリカには乾季と雨期の季節がある。
乾季の間、まったく雨が降らず大地は赤茶けた土で覆われる。農作物は育たず人々は雨期の到来を待ち続ける。やがて雨期が近いことを告げるのは盛大な野焼きの炎だ。
雨期は豊穣と収穫の季節だ。あらゆる植物が息を吹き返したかのようにみずみずしい生命力であふれる。
いい天気のもとで写真を撮っていると、にわかに湧き上がってくるような雲があらわれて空を覆い尽くす。変化していく雲の表情を見ているうちに風が吹きはじめ、大粒の雨が落ちてきたかと思うまもなく、視界もままならぬほどのどしゃぶりとなる。
しかし雨はそう長くは続かない。やがて何事もなかったかのようにまた青空が戻ることもある。空の下には激しいシャワーで洗われた美しい地上の世界が広がっている。
1961年名古屋生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。(株)日本デザインセンター勤務の後、独立行政法人国際協力機構(JICA)により、ケニア国立ナイロビ博物館、タイ チェンマイ山岳民族博物館、アユタヤ歴史研究センターに派遣。
帰国後、東京をベースにフリーランスフォトグラファーの後、日本大学教授(芸術学部写真学科) 日本写真芸術学会理事
忠別ダムは北海道上川郡美瑛町と上川郡東川町の境、忠別川沿いに建設されたダムである。
高さ86メートル、長さ885メートル。
昭和59年に建設され、複合ダムの形式をとったものでは国内最大級となる。
主な役割は、発電、水道用水の供給、災害の防止。山間部からの雪解け水や雨水を受け止めることで麓の人々の生活を守ることも大きな役割の一つだが、
雪と水の管理は周辺の河川の環境保全にも繋がっている。
一見自然に相反するように雪の中に突如聳え立つこの巨大な建造物も、生命の循環機能のひとつであるといえるだろう。
※複合ダムで国内最大級
(国土交通省 北海道開発局 旭川建設部 ホームページより引用)
1994年新潟県長岡市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、2016年より建築専門誌を出版する株式会社新建築社の写真部にてカメラマンとして5年間勤務。
新建築社より発行されている「新建築」・「住宅特集」・「J A」・「a + u」・企業別冊・企業本などの掲載用の写真を撮影。
2021年より日本大学芸術学部写真学科の教員となる。
大学では 銀塩写真の基礎知識、技術を伝えることに加え、建築、地域性の結びつきから発生する「人の暮らし」を、写真を通して考察する。
一般社団法人日本写真芸術学会会員
6回目となる日本大学芸術学部写真学科専任教員による写真展「SKY VI」を開催させていただくことになりました。
私ども教員は日本大学芸術学部写真学科を卒業した同窓生でもあり、先達の師より厳しく基礎技術を学び、それを踏まえた上で自己表現を展開すべく写真表現を研究し、実践しております。また多くの学生達と向き合い、語り合う中で、幅広い写真の世界に日々接し、試行錯誤をとおし多様な写真表現にトライしています。
写真学科の制作系教員4名の作品を紹介いたします。本職は教員であり教育を中心としながらの制作ですが、作品発表を念頭におき写真制作を継続しており、今回の作品はすべて初めての発表です。
秋元貴美子は、2年ぶり3回目の登場です。この世界を形成する地・水・火・風・空の5つのエレメンツを念頭に世界を観察し、自然、都市、人間という存在のつながりや、見えるもの以上の世界を表現しています。今回は日本の南の島での撮影ですが、その特定の場所を超えた秋元が感知した闇を表現しています。高いプリント技術を有しているにもかかわらず、あえてイメージに合わせ故意に現実とは異なる世界をプリントで強調して表現した作品です。
穴吹有希は、昨年に続き5回目の登場です。新しい技法を取り込み、独自の写真表現世界を創りあげています。今回は2004年から継続しているライフワークで、昨年の作品の流れにあります。穴吹は<いま・ここ>にある現実を撮影しながら、特定のその場所その時間ではなく、穴吹の記憶を再現しています。全ての作品は通常の生活空間で撮影されていますが、通常の視覚ではなくフワッとした違和感を感じさせる工夫がほどこされ、記憶を想起させられる作品です。
服部一人は、3年ぶり3回目の登場です。アフリカのケニアに長期滞在し働いていた経験をもつ服部が、コロナ感染症が猛威をふるう前に、旅人としてアフリカを繰り返し訪れ撮影した作品です。広大な力強く美しい大地と、そこに生きる明るく逞しい人々の姿を伝えてくれます。今回は鮮やかな大地や人々を彷彿させるアフリカの布をもちいたインスタレーション的な展示方法により、アフリカのイメージを写真の背景も含めて表現しています。
八木元春は、昨年に続き2回目の登場です。建築写真の業界で技術を磨いたのち教育に携わりました。人物から風景まで幅広い分野に対応する技術をもちながら、ライフワークとして建造物関係の作品を制作しております。今回はダムを被写体として環境、自然との関係を考察した作品となっています。雪の中のダムの姿を、白黒写真でトーンの美しさを追求しながらも自己のイメージを優先させた独自の世界観を表現しています。
教育という主軸の仕事をこなしながら地道に創作活動を継続している4人の最終仕上げにまでこだわったオリジナルプリントです。展示方法までを含めて、4人の表現世界をご高覧ください。彼らの表現の広さと深さを感じて頂ければ幸いでございます。
末筆となりましたが、会場にお運びいただいた皆様、そしてこのような機会を作っていただいたソニーイメージングギャラリー関係者の皆様に心より御礼申し上げます。
日本大学芸術学部写真学科
主任・教授 西垣仁美