

「いつまでも守り続けたい日本の自然」をテーマとし、動植物や風景、人間の営みを捉えた優れた写真作品を40年以上にわたって募集・表彰してきた、『「日本の自然」写真コンテスト』(朝日新聞社・全日本写真連盟・森林文化協会主催、ソニーマーケティング株式会社協賛)。第43回となる今回は、2,797名ものフォトグラファーの皆さまから、プリント部門、デジタル部門合わせて11,306点にもおよぶ作品が寄せられました。ここでは2026年7月18日(土)に朝日新聞東京本社読者ホールにて行われた表彰式および講評会の様子と、ソニー製カメラで撮影された入賞作品、受賞者の喜びのコメントをご紹介します。
朝日新聞東京本社読者ホール(東京・築地)にて行われた第43回「日本の自然」写真コンテストの表彰式。まずは主催社を代表して、全日本写真連盟会長・渡辺雅隆が、酷暑続く中、全国から会場にお越しくださった受賞フォトグラファーの皆さまに感謝の意を述べます。渡辺会長は、今回の受賞作品に水中写真や水辺で撮られたものが目立つことから「今年は水の年ではないか」とする声に触れつつ、同時に「命を引き継いでいく、受け継いでいく、そんな瞬間を捉えた作品が多い」とも指摘。象徴的な作品としてデジタル部門最優秀賞 ソニー4K賞を獲得した齋藤有弘氏の『祈りの眼差し』を絶賛しました。
「一方で、人間の世界はどうかと言いますと、命をないがしろにするような、命の尊厳を打ち砕くような出来事が続いています。しかし、だからこそ、これら作品群が私たちの心を揺さぶるのではないでしょうか。1枚の写真が、その目の前にある事実を越えて私たちにいろいろなことを考えさせてくれるように感じます」(渡辺会長)
なお、全日本写真連盟は今年12月で100周年。渡辺会長はこれまで共に歩み、支えてくださったフォトグラファーの皆さまと共に写真文化のさらなる発展に尽くしていくことを改めて誓い、主催社挨拶の結びとしました。
続く協賛社挨拶では、ソニーマーケティング株式会社プロダクツビジネス部門 イメージングエンタテインメントビジネス部 統括部長、水野雅夫が登壇。水野は、昨年、協賛社代表として初めてこの舞台に立ち、自然写真に挑み続けるフォトグラファーたちの情熱に直に接したことが、カメラビジネスとの向き合い方を改めて深く考え直すきっかけになったと告白します。
「今年の受賞作品からも撮影者の思いを強く感じました。狙って、狙って、思い通りの1枚を撮ったものもあれば、偶然の要素も含みながら想定以上の作品になったものもあるでしょう。ソニーはαブランドを継承して今年で20年目になりますが、今後も、こうした作品を生み出すフォトグラファーの皆さんに寄り添っていけるブランドでありたいと思っております。そのためにはカメラやレンズを売るだけでなく、日頃の活動をサポートするような取り組みも大切です。全国5拠点に展開しているソニーストアを発表の場、交流の場、相談の場、そしてインスピレーションの場としてますます発展させていきますので、皆さまにもぜひお越しいただきたいと考えております。そして、改めまして受賞された皆さま、おめでとうございました!」(水野)
プリント部門は、撮影した写真を撮影者自らがサイズ、紙質、色味までを吟味して出力した「作品」を審査対象とする伝統ある部門です。Webからデータで応募できるデジタル部門と比べてややハードルの高い面もありますが、近年のアナログ回帰の流れを受けて、701名、3,449点もの作品が集まりました。
最優秀賞
たそがれ時、撮れるか撮れないかギリギリの時間帯に撮影された1枚です。川の流れに逆らうようにカメラを置いているため、通常であれば流れに逆らうように泳ぐ鮎の顔は見えなくなってしまいます。しかし、この写真では奇跡的に何匹かがこちらを見ている瞬間を撮っており、まずそこが見事だと感じました。そしてその上で、照明の扱いが実に巧い。「(照明を)当てているな」と感じさせない自然さがとても良かったです。半水面写真ならではの山並みや釣り人の様子も、日本の原風景を感じさせてくれました。
デジタルで撮影した写真を、デジタルのまま応募するデジタル部門。応募のしやすさもあって年々、挑戦者が増えており、今年は2,096名のフォトグラファーから7,857点もの作品が集まりました。「最優秀賞 ソニー4K賞」はまさにその最高峰。4Kテレビならではの大画面・美画質にふさわしい作品が選ばれます。
最優秀賞 ソニー4K賞
全国規模のフォトコンテストで最優秀賞をいただくのは初めてのことです。通知を受けた瞬間は大きな喜びと驚き、そして撮影でお世話になった方々への深い感謝が同時に込み上がりました。もちろん、素敵な瞬間を見せてくれた海の生き物への敬意も強く感じています。
この作品は、海の中で向き合った光景の中から、自分の心が特に強く動いた瞬間を残したものです。まもなく孵化する卵を見守る親魚が卵に顔を寄せた瞬間の、その眼差しには深い愛情が宿っているように感じました。また、生まれてくる命に寄り添い、未来を見つめているようにも思えました。卵の中の仔魚の目もはっきりと見え、親魚と仔魚の双方からたくましさが伝わってきます。なにより、初めて対面するヤリガジの卵はガラス細工のように繊細で、とても神秘的に感じられ、感激しました。
撮影にあたっては被写体へのストレスを最小限にすることを心がけました。105mmのマクロレンズを使用して距離を確保することや、ゆっくり様子を見ながら被写体との距離感を調節すること、魚たちを興奮させないため音を立てないように注意しています。函館の海は水温一桁台と非常に冷たく、寒さ対策を施しながらの撮影でしたが、そんな厳しい環境でも、いのちが紡がれている事実に心打たれました。
誰もが目を奪われるとてもインパクトの強い作品です。まるで金平糖のようなヤリガジの卵には素直に驚かされました。おそらくさまざまな画角で撮られたと想像するのですが、この1枚は、親魚の頭だけを大きく切り出した画面構成が巧みで、画面右半分を埋め尽くす卵との対比もあって、この状況を力強く演出しています。昨今はカメラの進化が著しく、難しいシチュエーションでもクリアに撮れるようになっていますが、それだけでは撮影できない、実に見事な作品だと思います。
デジタル部門、もう1つの柱が、30歳以下の若手フォトグラファーを対象とし、これまでにないフレッシュな感性と新しい表現を切り拓いていく挑戦心を高く評価する「ソニーネクストフォトグラファー賞」。今年も、その精神にふさわしい次代を担う可能性を感じさせる傑作が受賞しています。
ソニーネクストフォトグラファー賞
大学1回生の頃にスキューバダイビングを始め、その翌年からは水中写真も撮るようになりました。最初は海での撮影に夢中でしたが、SNSで淡水の水中写真を撮っている方の投稿を見かけたことをきっかけに、当時住んでいた京都から琵琶湖へ足繁く通うようになりました。春は産卵期のウグイ、夏はナマズ、秋はビワマスやコアユなど、一年を通して琵琶湖の貴重な淡水生物の撮影に傾倒しており、中でもビワマスは産卵シーンを写真に収めたいと思い毎年挑戦しています。自分にとってビワマスは最も時間をかけて向き合ってきた、思い入れの深い被写体なのです。撮影場所は、滋賀県内でビワマスが遡上しそうな川を仲間と探し回って見つけました。水中では、流れと寒さに耐えながらじっと待って撮影しますが、良い一枚が撮れた瞬間は、その寒さも忘れてしまいます。
遡上中のビワマスは桜色に色づき、特にオスは吻(くちさき)が曲がることで迫力が増します。この作品では、その美しい色づきと力強さが際立つよう、川の端にある植物の影になった場所でカメラを構えました。2匹が交差しながらこちらへ迫ってくる様子が伝わるよう、構図とタイミングを意識してシャッターを切っています。
これからもビワマスの産卵シーンに挑戦し続けていくつもりですが、それとは別に、サケ科魚類の“聖地”である北海道にも足を運び、さまざまなサケの仲間を撮影してみたいですね。
サケ・マスというと北海道というイメージが強いのですが、ビワマスは琵琶湖の固有種。写真には同じ被写体を多くのフォトグラファーで競い合うように撮影する楽しさもありますが、自分だけの、自分らしい被写体を見つけてとことん向き合う道もあります。この写真からはそうした被写体への強い思い入れをひしひしと感じました。審査の際は、ソニーの液晶テレビにたくさんの応募作品を次々と表示していったのですが、その中でも特に「自分の作品を見てくれ」という強い意志が伝わってきた1枚です。あと、タイトルがすごく洒落ていて良いと思います。
特選
実は以前、利尻山で撮った作品が特選をいただいたことがあります。しかし、その時最優秀賞だった鯨の親子の作品が素晴らしすぎて、いつか自分も最優秀賞をという思いから再チャレンジさせていただきました。この作品では、北穂高岳の天候データから朝方に現れる滝雲を予測し、夜明け前から撮影タイミングを待って、ベストな瞬間に狙い通りの作品が撮れたと思っており満足しています。
北穂高岳に行かれる方は必ずここを撮るという有名な場所ではあるのですが、気候条件などを読み切って、この時期でなければ撮れない一瞬を見事に切り取った写真だと感じました。ここまで見事な滝雲はなかなか見られないのではないでしょうか。
特選
野生のザトウクジラを撮影しているため、あらかじめ構図やシーンを想定していたわけではありません。心を動かされた目の前の光景に、素直にシャッターを切りました。この作品を通して伝えたかったのは、奄美大島の静かな集落のすぐそばでクジラの親子が穏やかに子育てをしながら旅立ちまでの時間を過ごしているという光景です。その静けさや穏やかな時間が見る人にも伝われば嬉しいです。カメラを購入したのはα7 IVがはじめて。自由にアングルを変えられるバリアングルモニターとミラーレスカメラならではの軽さが決め手でした。
この写真の何が良いかというと、母クジラの影から子クジラがひょいっと顔を出しているところ。まるで子供を抱きかかえるような母クジラのヒレの形もとても印象に残りました。こんな浅瀬までクジラの親子がやってくることも珍しい。チャンスを引き寄せた1枚と言えるでしょう。
優秀賞
冬毛から夏毛へ移ろうユキウサギと、残雪を抱く大雪山。これらに芽吹き始めた草原を組み合わせることで、季節が静かに移ろい、命が次の季節へと受け継がれていく北海道の自然の営みを表現したいと考えました。撮影ではユキウサギを大きく見せることよりも、大雪山を背景に、広大な自然の中で生きる小さな命の存在を描くことを意識しています。二羽が向き合う一瞬を待ち、生命のつながりと春の穏やかな空気感が伝わる構図を心掛けました。αは野生動物撮影に重要なAFが速く、追従が良いこと、純正レンズが逆光時にフレアが出にくいことが気に入っています。
優秀賞
日本の自然写真コンテストには第35回から応募し始め、累計6回目の受賞になります。今回は森で暮らすツキノワグマの自然な姿を捉えようと、超望遠レンズを使用して撮影を行いました。野生動物が活動しやすい早朝や、夕刻の薄明時、薄暗い森の中で撮影することが多いので、α1の広いダイナミックレンジや、高感度に強いところ、無音で撮れる電子シャッターには助けられています。動物瞳AFも優秀で、これが使える場面ではピントはカメラ任せにして構図作りに集中できます。
サケたちの遡上の終着点である母川と海の境界で、身体を真水に慣らすサケの波乗りを通して、その旅路の壮大さや、儚くも輝く命の鼓動を伝えられたらと思い、撮影に臨みました。
海が時化っていると波は立たず、荒れ過ぎるとサケは沖に戻ってしまいます。遡上の初期と後半ではサケの個体数が少なく、群れをなして押し寄せるような光景はあまり見ることができません。ちょうど海が荒れ過ぎない具合に波が立ち、個体数が十分であり、また、天候に恵まれて光が綺麗に透き通る日、時間帯が2か月弱の撮影のうち、唯一合致した日に撮影できた1枚です。α1シリーズは清水の舞台から飛び降りる覚悟で購入した初めてのフラッグシップ機で、「これだけのカメラを手にしたらもう言い訳はできない、あとは自分の腕次第」と自身を奮い立たせるために手にしたカメラです。非の打ちどころのない唯一無二の相棒として2台体制で使用しています。
パッと見では平凡そうなニホンカモシカ親子の写真に見えますが、野花が咲く開けた場所でここまではっきり写ったものはなかなか珍しいのではないでしょうか。それはつまり、この地がカモシカたちにとって隠れる必要もないほどの安全な場所であり、人間との共生が成り立っているということでもあります。草を喰んでいる親子の穏やかな時間を表現しつつ、撮影者含め人間はその傍観者であるというメッセージも込めました。α1 IIとFE 400mm F2.8 GM OSSの組み合わせには絶対的な信頼を置いています。
何十年も経つ枯木と、小さなサクラソウのような花(ソラチコザクラ)との輪廻転生を表現しました。カメラ歴はフィルムカメラの時代から数えてもう50年にもなります。日本の自然写真コンテストには今回が3回目の挑戦で、今回、初めて入賞することができました。ソニーのカメラはα7R IIを約10年前に購入し、現在はα7R IVとα7C IIの両機を愛用しています。
普通ならワイドレンズで撮影するであろうキアンコウを、あえて、水中用に唯一持っている90mmマクロレンズで撮影しました。恐ろしい顔面が平面に貼り付いているような写真は、これはこれでインパクトがあって面白いと思います。他の受賞者のような難易度の高い写真は、あまり撮れる気がしないのですが、どういうわけか昨年に続き、今年も入選することができ、信じられない思いです。自分が面白いと思う写真を、審査員の方にも面白いと感じていただけているのであればうれしいかぎりです。
冬の枯蓮は、幾何学的で無骨で、夏の美しく優しい蓮の花のイメージとのギャップが面白いと感じています。そこに鳥がちょうど飛んできてくれた様子を、まるでファインアート展の鑑賞者のように表現しました。カメラはα7 IIIから買い換えるかたちでα7R Vを愛用中。トリミング耐性が高く、画角の追い込みよりも機動性を重視できる点がとても気に入っています。
撮影時にこだわったのは、手前の暗く枯れた木がイメージさせる「死」と、背景の光が感じさせる「生命力」や「希望」の対比構造です。α7R IVは、冬山でも安心して使える耐久性が気に入っています。
阿蘇の火砕流台地の大草原に、雲海が出ていた朝。その先に阿蘇山、根子岳を配置し、阿蘇の自然の雄大さ、奥行きを表現しました。第41回、第42回と熊本県一賞に選んでいただき、今年はステップアップできて嬉しく思います。さらに上位を目指して、来年も応募させていただきます。カメラは2021年に購入したα7R IIIを使用しています。α7R IIIは軽量コンパクトなため、風景だけでなく山岳での撮影時にもフットワーク軽く撮影できるところがお気に入りです。
この作品は、ハヤブサの持つスピード、力強さ、狩りの獰猛さ、子供への愛などを写真で表現することを目標としました。私はこれと決めた一つの被写体を深掘りするタイプで、おのずと1年の撮影サイクルも場所も同じような感じになってしまいがちなのですが、野鳥が見せる表情や行動に同じものは1つとしてありません。今後もそれを追い求めるでしょう。野鳥を撮影するにあたっては、ソニーのカメラ以外は考えられません。AF性能、連写性能、画素数、ダイナミックレンジどれをとっても、最高です。
普段は自然・風景を中心に撮影をしており、自分の腕試しや他のフォトグラファーからの刺激を受けたく毎年応募しています。この作品では、ダイヤモンドダストは背景が暗い場所を選ぶのが定石とされる中、あえて積雪や霧氷木の白、陰影の青との組み合わせで、「圧倒的な白の美しさ」の表現を狙ってみました。撮影に使用したα7R Vは、コンパクトでありながら高解像度で高機能な上、フィールドで必要となる機能を網羅しており、安心して撮影に集中できるところがお気に入りです。
この写真は満月の夜明け前、東の空が明るくなり始め、写真左から照らす月明かりが少しずつ弱くなってくる時間帯を狙って撮影しました。夜明けが迫ってくる中、月明かりに照らされた雪山の景色をもっと眺めていたいという思いをタイトルに込めています。撮影機材は発売直後に購入したα6700を使っています。α7 IIIも持っていますが、山に持っていくのでレンズも含めてフルサイズ機より軽量にできること、画質も十分なことが気に入っています。
普段は、新潟県内のさまざまな場所で、さまざまな生き物のありのままの姿を記録して回っています。この作品では、渡り鳥のトウネン2羽が、波打ち際でカニを見つけ、まるでビーチフラッグのように同時に駆け出した、その躍動感が伝わるよう、トウネンの目線で撮影しました。コンテストのコンセプトである「いつまでも守りたい日本の自然」に共感しており、いつも同じ思いでシャッターを切っています。
野生の中で逞しく生きるニホンリスの姿を追いかけ続けて今年で9年目。ニホンリスの主食はクルミですが、それがいつでも手に入るわけではなく、桜の花やキノコ、木の実など色々なものを食べます。そんな必死に生きる姿や、子リスを育てる姿を捕らえようと年間200日ほど撮影して撮れた1枚がこの作品です。
渡りをする蝶であるアサギマダラが、海を渡る前に翅を休ませる場所で撮影しました。これから始まる過酷な長い旅。次に翅を休める場所へ無事にたどり着けるよう、そしてこの子たちの子孫がまたこの場所へ戻ってくることを願い、仲良く飛ぶ姿を撮影しました。α7 Vなど、フルサイズ機も所有していますが、小さな生き物を撮影する時にはコンパクトなα6700をよく使います。操作性や映りにも満足しており、いまさら他メーカーに乗り換える気にはなりません(笑)。
三重県の銚子川上流、春先になると川に下りて産卵するナガレヒキガエルを撮りました。ここで生まれたオタマジャクシは、カエルになると深く険しい山に登っていきます。再び無事に戻ってこられるのはほんのわずか。そんな子供たちを見守るような親ガエルの優しい眼差しが印象的でした。いつまでもこの美しい自然が残ることを願い、毎年たくさんの生き物に会えるのを楽しみにしています。αは小型で軽量なので登山にも重宝します。
朝、太陽が昇ってくると渓谷が目覚め、光芒が陰影のコントラストを作り出す。そんな光の力強さと朝の清々しさを表現できたらと思って撮影しました。熊本県には山(阿蘇山)と海(天草)があるため被写体には困りませんが、雪の物足りない冬場は北海道に遠征することも。そんな時でもα7R IVは軽量なので苦になりません。風景、特に朝陽や夕陽の時間帯を撮るのが好きなので、『日本の自然』写真コンテストは目標として、これからも応募し続けていきたいと思っています。
偶然出会ったキツネ親子の親子愛に感動したその時の自分の気持ちを写真に残そうと思いシャッターを切りました。無邪気に甘える子ギツネと周囲を警戒しながらも優しく接するお母さんギツネの寄り添う姿は、とても感動的でした。私は特に動物が見せる一瞬の表情が大好きなので、こんなふうに面白い表情や奇跡的な瞬間が撮れていたりすると、思わず嬉しくなってしまいます。そうした私のスタイルを支えてくれているのがα1 II。特に、電子シャッターを使用してもほぼ歪みが気にならないアンチディストーションシャッターが素晴らしく、プリ撮影機能も今ではなくてはならない機能の1つになっています。
普段は埼玉県内の四季の風景写真と動物撮影を早朝から、同じ場所に何回も通って撮影しております。この作品でこだわったのは、早朝、菜の花咲く野原で、朝霧に浮かぶ一本木と薄紅の空。何度も通い続けて出会ったしっとりした静かな情景を撮影できました。カメラは始めた時からソニーを愛用しており、現在はα7R IIIとα7 IVの2機種を愛用中です。動きの速い動物撮影は主にα7 IVを、今回の作品を含む風景写真はα7R IIIをと使い分けしています。αは小型、軽量と画質が良く、オートフォーカスも優秀なところが気に入っています。
日の出の太陽とともに、水平線を境界線として、水中の珊瑚も撮影しました。水平線の上と下、景色は違うけれど自然は循環してつながっていることを表現したく半水中撮影しました。現在、奄美大島に住んでおり、森、滝、海、くじらなどさまざまな被写体を撮影しています。もちろんそれらも自然の循環、つながりを意識して撮影しており、それらを通して、観た人が自然の尊さを感じてくれたらうれしいなと思っています。
山、川、森などで主に野鳥の生態の観察、撮影をしております。作品作りにおいては、対象の野生動物の個性がわかるシーンや一瞬を切り取ることを目指しています。この作品では、野生動物たちが日々、自然の中で行っている生きるための行動を写し取り、自然と生き物のつながりと、生き残ることの厳しさを表現したいと考えました。αシリーズは野生動物の俊敏な動きに対応する性能や描写力が気に入っております。
沖縄の海は、世界有数のサンゴ礁が広がる美しい海として知られています。しかし、近年は海水温の上昇などの影響でサンゴやイソギンチャクの白化が進み、関係者の尽力で一時は改善したものの、かつてのような色彩豊かな景観が失われつつあります。白くなったイソギンチャクの中で、鮮やかな色をまとったクマノミが印象的だったこの光景は、美しさと同時に自然環境の危機を象徴しているように感じました。自然な色彩と質感を残しつつ、白化したイソギンチャクと鮮やかなクマノミの対比が最も伝わるライティングを追求したことが、この作品の大きなポイントです。
普段からニホンリスなどの小動物を撮影しています。その中でも冬の撮影は、雪の中から被写体がひょっこり飛び出してくるなど、予想もしない瞬間に出会うことが多く、いつも楽しみにしています。この写真もそんな期待を胸に雪の中でじっくり待機していましたが、予想以上にすごいシーンを捉えることができ、満足しています。カメラは動物撮影で決定的な一瞬を撮り逃さないよう、プリキャプチャー対応のα1 IIを選択。もちろん、この作品でもプリキャプチャーが大いに活躍してくれています。
ここは以前にも何度か訪れている場所なのですが、深夜、満月の灯りも相まってまるで宇宙探索しているような気分になりました。普段、宇宙を感じる機会もなかなかありませんが地球も宇宙の一部なんだと改めて感じるとともに、それを表現しようと思いました。写真は撮り手が見ている世界そのもので、それゆえに、自分を磨けば良い写真が撮れると信じています。フォトグラファーとしてのこだわりは、常にカメラを持ち歩いていること、そして、写真以外の知識や視点を学ぶということです。
富士山にかかる雲の変幻。タイムラプス画像の中から抽出した1カットです。平成元年に富士山麓に白糸の滝近くに居を構えて以降、長らく富士山、そして富士と名の付く郷土富士を撮り続けてきました。本コンテストには第38回以降、毎年応募しており、今回を含めて4回入賞しています。もちろん全て富士山の写真です。
阿蘇の初夏を彩るミヤマキリシマのピンクがダイナミックな朝焼けに染められ、辺り一面を紅く染め上げています。その中央に根子岳のどっしりとしたシルエットを入れることで、美しさと力強さが共鳴する雄大な阿蘇の大自然を表現することを目指しました。このコンテストを通じ、九州の美しさを皆さんに知っていただけたらこれほどうれしいことはありません。
表彰式の終わりには、本コンテストの審査委員を代表し、写真家・中村征夫氏による総評が行われました。中村氏は、今回も全ての応募作品から強い「愛」を感じ、審査している自分たちまで幸せな気持ちになったと、参加者たちの自然写真への「情熱」を高く評価。それぞれの作品から、撮影しているときの抑えきれない興奮や感動を感じ、はやる気持ちを抑えながらシャッターを切っている姿が目に浮かぶようだとにこやかに語ります。
その上で中村氏は、より良い自然写真を撮影するために忘れてはならないという「自然界のリズム」を紹介。かつてそれができずにシャッターチャンスを逃してしまったという自らの失敗談を披露しながら、その大切さを会場のフォトグラファーたちに説明してくださいました。
「森にも、川にも、海にも、里山にも、自然界にはそれぞれとても穏やかなリズムが流れています。自然写真に挑むのであれば、そのリズムをできるだけ壊さないように、被写体の持つリズムを察知してあげることが大事です。例えば、魚の写真を撮りたいのなら、まずは少し距離を置いて、魚が『(撮っても)いいよ』と言ってくれるのを1時間でも2時間でもじっくり待ってあげましょう。私は熱意ある撮影者がそう心がけることで、さらに良い自然写真を撮影できると考えています」(中村氏)
自らの抑えきれない「情熱」や「愛」に加え、被写体のリズムを感じる「冷静さ」を持つことが自然写真のレベルをさらに高めてくれると中村氏は言います。この十数年、機材の進化もあってグングンと応募作品のレベルが高まっている「日本の自然」写真コンテストですが、撮影者が「自然界のリズム」を身につけることで、さらなるレベルアップが期待できそうです。
「次回もまた、皆さんの素晴らしい作品がたくさん寄せられることを楽しみにしています。また来年、お会いしましょう!」(中村氏)
なお、今回の『「日本の自然」写真コンテスト』受賞作品を4Kブラビアの大画面で楽しめる巡回展は現在、日本各地で開催中。
開催場所とスケジュールは下記よりご確認ください。
ソニーストアでは、ご自身が撮影した写真やお持ちの映像を、実際の4Kブラビアに映し出してご覧いただけます。
テレビで楽しむ写真鑑賞スタイルの体験などにご利用ください。
国内最高峰のネイチャー系フォトコンテストで最優秀賞をいただけたことを大変光栄に思っています。まずは水中ガイドとして活動する中で、日頃よりご愛顧いただいているゲストの皆様、そして撮影地である地元の皆様に、この喜びを伝えたいです。
生涯最後の産卵を終え、燃え尽きる鮎と、その鮎を獲る釣り人。この作品では、魚と人間の相反する微妙な関係を表現しました。こだわったのは、生態写真に人物を美しく配置すること。絵画においても釣り人が頻繁に描かれているので、その表現を参考にしています。
人間は自然環境にとって侵入者です。今回の産卵活動の撮影も、鮎から見れば不都合な存在ですし、釣り人にとっても同様でしょう。なので、常に敬意を払い、現場に臨むよう心掛けております。なお、今回撮影した銚子川(三重県)の産卵場には、約10年前から通っています。釣り人に人気の場所で、初めは撮影させてもらえるような雰囲気ではありませんでしたが、毎年通い続け、顔を覚えてもらい、信頼関係を構築することができました。
銚子川は、希少生物の観察が可能な豊かな自然が残る環境です。渓流にはナガレヒキガエルが生息し、河口にはユウスイミミズハゼが生息しています。また、タコクラゲが生息する汽水湖も存在します。これら国内でも希少な環境を今後も守っていきたいですね。また、産卵場のある紀北町は今、過疎化が深刻な状況にあります。写真の力を活用することで、地域の活性化につながることにも期待しています。