

鉄道絶景+α
第23回長良川鉄道(岐阜県)
鉄道写真家 中井精也 氏
撮影日:8月2日 7時39分長良川鉄道(美並苅安〜赤池)
水面ギリギリの高さから清流のうねりと水しぶきを捉えた。FE 16-35mm F2.8 GM IIのダイナミックな画角が清涼感を演出してくれた
長良川の清流と水しぶき、αで涼を届ける夏旅
今年の夏は、とにかく暑い。せめて誌面だけでも涼しさを感じてもらおうと、「涼しさを感じる作品」をテーマに撮影した。その舞台に選んだのは、日本三大清流にも挙げられる長良川に沿って走る長良川鉄道だ。夏本番を迎えた8月上旬、そしてまだ新緑が輝く5月に乗車した際の作品を合わせてご覧いただきたい。
涼しさを表現するテーマで、まず頭に浮かんだのは長良川の清流だ。透明度の高い長良川は見ているだけでも涼しげだが、より効果的に魅せるため、水面ギリギリの高さになるように河原に寝そべり、レンズの前ではじける水しぶきを強調した構図で撮影した。実際の河原は太陽の照り返しで蒸し風呂のような暑さだったが、涼しげで迫力にあふれる作品に仕上がったと思う。有効最大約6,680万画素を誇るα7R VIが捉えた水しぶきを見ると、川のせせらぎまで聞こえてきそうだ。次に出合ったのは、休耕田を彩るヒマワリ畑だ。地元の方によると、年々休耕田が増える荒涼とした風景を鮮やかに彩りたくてヒマワリを植えたのだと言う。確かに一面の緑の中に広がる黄色いヒマワリ畑はとても鮮烈で、眺めているだけで元気が湧いてくるようだった。列車を待つ間、ヒマワリ畑の農家の方に、冷えたスイカをごちそうになった。鮮やかな黄色とスイカの甘さは、忘れがたい夏の思い出だ。乗車中の撮影では、車窓を過ぎ去る風景を低速シャッターで流し撮りすることで清涼感を演出した。車内は超広角ズームで撮ることが多かったが、FE 28-70mm F2 GMが生み出す美しいぼけ味は、まるで旅人の視点をそのまま写し取ったかのような効果を添えてくれる。まだまだ暑い夏は続きそうだ。今回の作品を通して、少しでも涼しさを感じてもらえたらとてもうれしい。
撮影日:5月20日 12時33分長良川鉄道(北濃駅)
終点の北濃駅の使われていない線路でカワトンボが羽を休めていた。開放絞りで捉えると前後がとろけるようにぼけて、その美しい姿が鮮やかに浮かび上がった
撮影日:8月1日 16時10分長良川鉄道(梅山〜湯の洞温泉口)
山間部に伸びる線路を400mmで圧縮して撮影。覆いかぶさる木々が森のトンネルのように見えた。緑に囲まれて懐かしい復刻カラーの車両がよく映える
撮影日:8月2日 9時22分長良川鉄道(加茂野〜富加)
青空の下で輝くヒマワリと国鉄カラーの列車。夏真っ盛りの色彩を、広いダイナミックレンジを誇るα7R VIは鮮やかに描写してくれた
撮影日:5月20日 12時05分長良川鉄道(車内)
NDフィルターを装着し、低速シャッターで撮影。G Masterの美しいぼけは、不要な情報を削ぎ落とし、旅情を際立たせる効果がある
<Pickup LENS>
FE 28-70mm F2 GM
ズーム全域開放絞りF2を誇るFE 28-70mm F2 GM。このレンズが生み出す大きく美しいぼけ味を知ってから、僕の撮影スタイルが変わった。従来は記録的に超広角で撮ることが多かった車内撮影だが、このレンズと出合ってからはぼけを使うなど、主観的な作品づくりへ積極的に挑むようになった。
<Photo Technique>
α7R VIで見やすくなった電子水準器
α7R VIのファインダー下部に表示される2D水準器が使いやすい(要設定)。前後の傾きを示す従来の3D表示は画面と重なり見づらさもあったが、α7R VIでは構図を妨げない最下部に表示され一目で水平を把握できる。撮影に集中するための必要にして大切な機能だと感じている。
<絶景EPISODE>
静寂の終着駅へ。観光列車「ながら」が紡ぐ旅路撮影日:8月1日 13時01分長良川鉄道(北濃駅)
長良川鉄道の終着駅である北濃駅に進入する観光列車「ながら」をFE 50-150mm F2 GMで撮影。ひっそりとしたたたずまいが味わい深い駅だ。美濃白鳥駅から北濃駅にかけての末端区間は利用者が少なく、存続を懸念する声もある。末永く列車が走り続けることを祈りながら、静かにシャッターを切った
記事で紹介された機能の詳細はこちら
記事で紹介された商品はこちら
ワンクリックアンケートにご協力ください
αUniverseの公式Facebookページに「いいね!」をすると最新記事の情報を随時お知らせします。





