
16mmと旅に出る。軽やかさが導く、風景との出会い
フォトグラファー もろんのん 氏

もろんのん / フォトグラファー 商品、旅、ポートレートを撮影。広告や雑誌などの領域で幅広く活躍。YouTube「もろんのんTV」を通じて写真撮影術やおすすめ旅Vlogを伝える。Instagramで11万超えフォロワー。YouTubeで11万チャンネル登録者数を突破。Instagram:https://www.instagram.com/moron_nonYouTube:https://www.youtube.com/channel/UCAREgs9I7YDdDSOJG7RR-5A
旅に連れて行きたくなる、広角レンズの軽快さと頼もしさ
とにかく軽くてコンパクトです。それでいて、手に持った瞬間に「Gレンズらしさ」のある、しっかりとした作りを感じました。旅先での撮影にもぴったりで、カメラバッグに入れてもかさばらず、取り出してすぐ撮影できる気軽さと、広い画角がお気に入りです。旅行では、「持って行かなかったことを後悔するレンズ」だと思っています。コンパクトで軽量だからこそ、“プラス一本”の負担がなく、このレンズがあることで、街並みや風景をダイナミックにとらえたり、室内を広く、迫力のある形で撮影することができます。今回は写真をメインに撮影しましたが、動画を撮る方にとっても、ジンバルなしでカメラの手ブレ補正機能を活かせば、躍動感のある映像が撮れるのが魅力的です。
広角レンズならではの世界。視点と表現の自由を楽しむ
カラフルなストリートアートの場所で、遠近感を活かしてポートレートスナップを撮りました。広角レンズならではのパースを活かし、モデルさんの青いワンピースの裾を手前に入れつつ、路地裏の抜け感も取り込んで、ダイナミックに表現しました。肉眼で見た景色とは異なる、臨場感のある描写ができる点がお気に入りです。
私はFE 16-35mm F2.8 GM IIのレンズも持っているので、今回比較のために持っていきました。正直、ぱっと見ただけでは、どちらの写真をGレンズで撮ったのか分からないほどです。四隅を拡大してようやく、周辺の描写がGマスターの方がやや綺麗かな、と思う程度で、大きく拡大しなければ、正直違いはほとんどわかりませんでした。最短撮影距離が0.15m(AF)/0.13m(MF)と高い近接性能があるため、たとえば花や植物を寄りで撮ることで、虫や鳥の目線など、ユニークな表現もできそうです。室内はもちろん、自然の絶景の中で「自分ではないものになりきって視点を考える」という撮り方も、楽しそうだなと思いました。
F1.8まで開放にできるので、この写真のように前ぼけを入れた表現も楽しかったです。広角レンズは、被写体にかなり寄らないと背景がぼけにくいのですが、前ぼけを活用すれば、ぼけ感のある描写も楽しめて、広角レンズの奥深さがより広がる気がします。
“後悔しない選択”としての一本
街中のイラストを背景に撮影しました。普段なら標準レンズで柔らかく切り取るようなシチュエーションでしたが、少しアバンギャルドな鳩の絵が描かれていたため、それを背負う形でモデルさんにカッコよくポージングしていただきました。光が当たる場所とそうでない場所の明暗差も、きれいに表現できています。
こちらは、壮大なステンドグラスや階段まですべて入れたくて、欲張って撮った一枚です。写っている要素が多かったため、目立たせたいポイントを整理しようと思い、モデルさんには光が差し込む位置に立ってもらいました。実は私自身、普段は標準や望遠レンズをメインで使うことが多く、広角レンズを使う頻度はそれほど高くありません。ただ、大学生のとき初めて海外旅行でイタリアやアイスランドに行った際、美しい建築物や表情豊かな景色を前に、広角レンズを持っていかなかったことを今でも後悔しています。だからこそ、新しい場所を旅するときには「後悔しないために」、必ず広角レンズを持っていくようになりました。とはいえ、使用頻度がそこまで多くない中で、重たいレンズを持って行くのは正直しんどい…。そんなわがままを解消してくれるのが、軽くてコンパクトなのに、美しい描写ができるこのレンズだと感じました。初めての広角レンズとしてもおすすめです。
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