一瞬を永遠に。――FE 50-150mm F2 GMが紡ぐ記憶

フォトグラファー 山隈祐介 氏

α Universe editorial team

山隈祐介 / photographer 福岡にて写真を学び、スタジオアシスタントを経てウエディングの世界に。2017年には拠点を東京に移し、活動範囲を全国に広げる。2018/2019には全米最大のフォトコンペティションWPPIにてSilver Award受賞。そして撮影チームMOULAを立ち上げる。チーム一同、固定概念や撮影枠に捉われない考えをモットーに、日々目の前の被写体にシャッターを捧げている。https://www.instagram.com/yusukeyamaguma/https://moula-official.squarespace.com/

驚きの第一印象――「これでF2?」

持った瞬間に「これでF2?」と驚く軽快さ。高級感ある造りと手になじむバランスで、撮影のテンポを崩さずに使える実感がありました。被写体との距離を自由に操れる、頼もしい一本だと感じました。

感情を浮かび上がらせるF2の魔力

α9 III,FE 50-150mm F2 GM 90mm,F2,1/640秒,ISO320

F2ならではの浅い被写界深度が、表情や肌のニュアンスを引き立ててくれます。背景との距離感が絶妙にコントロールできるので、視線を自然に被写体へ誘導でき、感情の濃度がより伝わる写真になりました。

光をも味方にする操作性と俊敏なAF

α9 III,FE 50-150mm F2 GM 50mm,F2,1/5000秒,ISO125

インナーズーム方式による安定感と、手に吸い付くような取り回しの良さが印象的です。長時間の撮影でも疲れにくく、逆光下でも黒潰れせずに表情やディテールをしっかり描き出してくれる信頼感がありました。さらにAFの精度と追従性も高く、瞬間の感情を逃さずに捉えられるのも大きな魅力です。ズーム域の使いやすさと相まって、現場で大きな武器になります。

奥行きが物語を紡ぐ――前ぼけの美学

α9 III,FE 50-150mm F2 GM 62mm,F8,1/25秒,ISO125

前ぼけの美しさに驚きました。開放F値2でも芯があり、空間の奥行きを物語として描けるレンズです。被写体との距離や高さを細かく調整しながら、自然な立体感を演出できますし、レンズ交換の手間がないので、流れを止めずに撮影に集中できました。

50mmから望遠まで――ありのままを近くから、想いを遠くから

α9 III,FE 50-150mm F2 GM 50mm,F4,1/320秒,ISO200

空間の空気感や人との距離感を自然に描けるのが50mmの魅力です。誇張せず、その場に立ち会ったかのような臨場感を出せる焦点距離で、背景とのバランスを意識して構図を整えて撮影しました。

α9 III,FE 50-150mm F2 GM 150mm,F4.5,1/250秒,ISO640

また、遠くからでもしっかり寄れる望遠ならではの特性により、距離を取りながらも密度ある表情が捉えられ、安心してシャッターを切れます。圧縮感とぼけの柔らかさのバランスもよく、細部のシャープさも驚くほど高精細でした。撮影の自由度がぐっと広がります。

光と感情が交差するドラマチックな一瞬

α9 III,FE 50-150mm F2 GM 50mm,F4.5,1/400秒,ISO500

囲まれた空間の密度感と、感情の滲みが印象的でした。手前の参列者の表情や感情を活かしてレイヤーを作り、新郎の想いが浮かび上がるよう構図を意識しました。光の回り方にも助けられた一枚です。

反射と透過が織りなす二つの世界

α7 IV,FE 50-150mm F2 GM 59mm,F5,1/40秒,ISO1000

反射と透過の境界に物語を込めました。都市の喧騒と内側の静けさ、2つの世界をひとつの画面で交差させることで、心情を映す鏡のような写真に。構図は左右のバランスと光源位置で緻密に調整しています。

ウェディングはもちろん、ポートレートにも最良の一本

空気感まで描き出したいポートレート派にも、小物を丁寧に写したい作家肌の方にも。ウェディングのような撮影環境がめまぐるしく変わる現場でも、一本で幅広く対応できる安心感があります。今後もメインで使いたいレンズです。

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