こんな時だからこそ心に染み入る、美しき光景。
第37回「日本の自然」写真コンテスト受賞作品紹介
1983年以来、毎年開催されている『「日本の自然」写真コンテスト』(朝日新聞社・全日本写真連盟・森林文化協会主催、ソニーマーケティング株式会社協賛)は、「いつまでも守り続けたい日本の自然」をテーマとした伝統ある写真コンテストです。その応募数は、自然を大切に思う気持ちの高まりを受けるかたちで年々増加しており、37年目となる今年は過去最多を大幅に更新。写真データをそのまま審査するデジタル部門が8,134点、紙に出力した写真で審査するプリント部門が4,961点、合計13,095点もの応募がありました。これは昨年の応募数(合計10,156点)を3割近く上回る驚くべき数字です。
そして、この9月にはインターネットの公式サイトで各賞受賞作品が大々的に発表。審査委員を代表して、写真家の福田健太郎さんが一部の作品について講評する動画も配信開始されました。
動画の中で「自然であったり、風景であったり、動物であったり。皆さん、(日本の自然が)好きで、熱心に追いかけられている方が多いなという印象を受けました。私もその1人としてとてもうれしく思います」と、コンテストの意義が広く受け入れられていることをよろこぶ福田さん。
ここでは、福田さんら審査員の皆さんが「多様な作品があって、審査する身としてはなかなか大変だった(笑)」と語るたくさんの応募作品群から選ばれた入賞作品の一部について、撮影した皆さんからいただいたコメントを、その作品と共に公開します。
なお、今回の受賞作品は全国13か所で9月から行われている巡回展(詳しくはこちら )に加え、ソニーの液晶テレビ/有機ELテレビ ブラビア向けアプリ「My BRAVIA」でも公開中。2015年以降に発売されたAndoridTV機能搭載の4Kブラビアで、日本の自然を美しく表現した入選作品の数々をお楽しみいただけます。
美しい日本の自然は大画面・
高精細テレビでこそ映える
デジタル部門
「最優秀賞 ソニー4K賞」
Webから直接応募する形式の「デジタル部門」は、コンテストの門戸を広げ、特に若い層からの参加を大きく加速させました。第37回の応募総数は約3,000点も増加していますが、ほとんどがデジタル部門のもの。その頂点となる「最優秀賞 ソニー4K賞」は、高精細なデジタルフォトを、デジタルデータのまま大画面4Kテレビに表示して鑑賞するスタイルに相応しい作品に贈られます。
- 駆け抜ける秋
- 西山 亜希子さん
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最優秀賞 ソニー4K賞
- Captured by Canon EOS-1DX Mark II
Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM - Captured by Canon EOS-1DX Mark II
「妄想」したイメージ通りの写真を撮るため
2年かけて被写体を観察し続けた
- 焦点距離(35mmフィルム換算値):170mm
- シャッター速度:1/2000秒
- 絞り値:F5.6
- 露出補正:+1/3
- 感度:ISO 3200
- ホワイトバランス:オート
日本の自然を受け継ぐ若者たち、
その渾身の一枚
デジタル部門
「ソニーネクストフォトグラファー賞」
デジタル部門応募作品の中から、30歳以下の若手が撮影した作品に贈られる「ソニーネクストフォトグラファー賞」。過去にはドローンで空撮された作品や、まだ写真を撮り始めて数年という10代写真家の作品が受賞しています。さて、今年はどんな写真が選ばれたのでしょうか?
- Snow village
- 杉瀬 悠汰さん
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ソニーネクストフォトグラファー賞
- Captured by Sony α7RM3
Sony FE 24-105mm F4 G OSS - Captured by Sony α7RM3
地元の方しか知らないレアな撮影スポット
その貴重な冬景色を念願叶って撮影できた
- 焦点距離(35mmフィルム換算値):51mm
- シャッター速度:1/40秒
- 絞り値:F13.0
- 露出補正:±0
- 感度:ISO 100
- ホワイトバランス:5000K
地元民しか知らないレアな撮影スポット
その貴重な冬景色を念願叶って撮影できた
まずはこのような光栄な賞に自分の写真を選んでいただきありがとうございます。2年連続での入賞、 特に今年は「ソニーネクストフォトグラファー賞」という光栄な賞をいただき、大変うれしく思います。
ここ数年、私は地元・福島県の風景をメインに撮影をしています。この場所は、奥会津や只見線の風景を撮影する中で出会った先人の方々から教えていただきました。アクセスが困難ということもあってか冬景色の写真を見たことがなく、いつか自分で撮影したいと思っていた場所です。幸い、昨シーズンは積雪量が少なかったため、これをチャンスと足を運び、念願を叶えることができました。深夜に雪が降って山や木々に着雪しているのを狙い、雪山に囲まれた集落を狙って撮影しています。
風景写真を撮るにおいて心がけていることは、まず、日の出と日の入りに重点を置いて撮影すること。光と影の美しさや、変わりゆく空の色はこの時間帯ならではのもの。霧や雲海などもこの時間帯に出やすいので、それを狙うことも多いです。また、自分の周りには写真の上手な人がとても多いのですが、その方々の知識や技術をインプットしてそのまま真似するのではなく、いかに自分の作品としてアウトプットできるかを考える事も大事だと思っています。
そして何より、これは技術の話ではありませんが、被写体、環境に感謝することを忘れてはいけません。撮影する場所を汚したり荒らしたりしないのはもちろん、撮影を終えたらその土地の名物を食べたり、名産品を購入したり、微力ですがその土地に少しでも還元し、感謝することを心がけています。
なお、この撮影に先駆け、昨年4月にカメラをソニーのαに買い換えました。その7月にアイスランドに撮影旅行に行くことになっており、高画素かつ、ダイナミックレンジが広いという友人からの勧めで『α7RM3』を購入。評判通りのカメラで、アイスランドではたくさんの絶景を撮影することができました。今の情勢が落ち着いたら、またこのカメラを持って海外での風景撮影にもチャレンジしたいですね。
αで撮影されたデジタル部門入賞作品はこちら
▼▼受賞作品をクリックすると、拡大してご確認いただけます▼▼
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- 入選
- 夕霧の鹿郷
- 志村 大輔さん
- Captured by Sony α6500
Sony FE100-400mm F4.5-5.6 GM OSS -
迷わずエゾシカに視線が向かうよう
シンプルな構図で写すことを心がけた -
夕陽と霧が織りなすやわらかな光のグラデーションを意識し、また夕方に漂う「哀愁」を表現することを考えてシャッターを切りました。湿原には立ち枯れしている低木や一本木が見られたものの、極力それらを排除できる位置で構え、迷わずエゾシカに視線が向かうようシンプルな構図で写すことを心がけています。作品で気に入っているところは、エゾシカのツノと夏毛の斑点。撮影時はうっすらと霧がかっていましたが、拡大すると夏毛の斑点まで描写できており、うれしかったです。
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- 焦点距離(35mmフィルム換算値):600mm
- シャッター速度:1/500秒
- 絞り値:F5.6
- 露出補正:-0.3
- 感度:ISO 200
- ホワイトバランス:日陰
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- 入選
- 春の訪れ
- 大野 泰之さん
- Captured by Sony α9
Sony FE100-400mm F4.5-5.6 GM OSS -
エゾエンゴサクと換毛期の
エゾユキウサギで北海道の春を表現 -
2012年に購入した『α65』でカメラ入門し、現在は『α9』を愛用中。当初より北海道の野生動物と野鳥をメインに撮影を続けております。エゾエンゴサクは北海道を代表する春の花、真っ白なエゾユキウサギが徐々に夏毛の茶色に変わるのも春ならではの姿です。この2つを組み合わせて北海道の春を表現しようとシャッターを切りました。この早朝の柔らかな光のシーンを鮮やかに映し出すには大画面のテレビの方が適していると考え、デジタル部門に応募しました。
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- 焦点距離(35mmフィルム換算値):400mm
- シャッター速度:1/320秒
- 絞り値:F5.6
- 露出補正:±0
- 感度:ISO 1600
- ホワイトバランス:オート
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- 入選
- おはようモモンガ
- 野呂 厚美さん
- Captured by Sony α9
Sony FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS -
早寝早起きを心がけ、日没まで粘って待って撮るのみ
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一眼レフカメラを購入したのは30年前、当時は子供の写真ばかり撮っていましたが、子供が独立してからは野鳥を撮るようになりました。でも、「表現」については全く考えていません。早寝早起きを心がけ、日没まで粘って待って撮るのみです。ちなみに現在使っているカメラはすべてソニー製。ブラックアウトフリーであること、優れたAF性能が気に入っています。ミラーレスカメラでは最先端ではないでしょうか。
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- 焦点距離(35mmフィルム換算値):600mm
- シャッター速度:1/500秒
- 絞り値:F6.3
- 露出補正:-0.7
- 感度:ISO 400
- ホワイトバランス:オート
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- 入選
- 戦闘態勢
- 東倉 祐治さん
- Captured by Sony α7M3
Sony FE100-400mm F4.5-5.6 GM OSS -
キタキツネの毛並みや舞い上がる雪などを
高精細な4Kテレビで見てほしい -
ふだんはキタキツネを中心にエゾナキウサギやエゾリス、野鳥などを撮影しています。この作品では、キタキツネの撮影中にいきなり2匹目が背後から現れ、キタキツネ同士が今にも喧嘩を始めそうになったため、その緊張した表情を確実にとらえることだけを考え連写しました。デジタル部門に応募したのは、被写体であるキタキツネの毛並みや舞い上がる雪などを高精細な4Kテレビで見ていただきたかったからです。
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- 焦点距離(35mmフィルム換算値):400mm
- シャッター速度:1/500秒
- 絞り値:F6.3
- 露出補正:+1.7
- 感度:ISO 250
- ホワイトバランス:オート
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- 入選
- White flower in winter
- 大柳 雅資さん
- Captured by Sony α7RM3
ZEISS Loxia 2.8/21 -
星と霧氷に覆われたハルニレの木と
白い雪原のバランスに配慮して撮影 -
この日は氷点下20度以下となり風も穏やかで湿度もあったため、霧氷に覆われたハルニレの木に会えると思い現地へ。すると予想通りハルニレが白い花を咲かせていました。霧が流れて視界が悪かったのですが、空が開いた隙間から星が輝いているのが見えたので、星と霧氷に覆われたハルニレの木と白い雪原のバランスに配慮して撮影してみました。撮影に使った『α7RM3』で気に入っているのは圧倒的解像度。今回のような長秒撮影時や星景撮影にはブライトモニタリング機能が他にないアドバンテージだと思っています。
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- 焦点距離(35mmフィルム換算値):21mm
- シャッター速度:20秒
- 絞り値:F3.5
- 露出補正:N/A(マニュアル撮影)
- 感度:ISO 1600
- ホワイトバランス:マニュアル(RAW調整)
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- 入選
- 猛稽古
- 國分 知貴さん
- Captured by Sony α7M3
SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM -
意図せず味わい深い色味で撮ることができた
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この作品では鹿の動きと野生の力強さを表現しようと考えました。苦労したのは、氷点下でしかも強風の中、常に光に対して動けるよう、手持ちで撮影せざるを得なかったこと。手がかじかみ、日も暮れて光が少なくなっていく中、粘って撮影できたのがこの1枚。本来は夕陽を受けながらの撮影を狙っていたのですが、日没後に意図せず味わい深い色味で撮ることができました。個人的にはこういう「いい意味で期待やイメージを裏切った(上をいった)」写真が好きです。ノートリミングにもこだわりました。
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- 焦点距離(35mmフィルム換算値):600mm
- シャッター速度:1/1000秒
- 絞り値:F6.3
- 露出補正:N/A(マニュアル撮影)
- 感度:ISO 2500
- ホワイトバランス:オート
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- 入選
- 朝霧の丘
- 小林 敏行さん
- Captured by Sony α7RM4
Sony FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS -
極寒の中、朝霞が黄金色に染まる神々しさを表現
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気温がマイナス20度近くまで下がった極寒の夜明けを撮影。太陽が顔を出し日が射してくると、朝霧が黄金色に染まりながら流れて木々の影が浮かび上がりました。その神々しいとも思えた様子を表現できればと考えながら撮影しました。小学校高学年の頃から写真を始め、最近は風景写真をメインに星景や鉄道、飛行機などの撮影にも行っています。現在使用している『α7RM4』は昨年購入。先代モデルからの正常進化と6100万画素の高画素に魅力を感じました。
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- 焦点距離(35mmフィルム換算値):300mm
- シャッター速度:1/400秒
- 絞り値:F16.0
- 露出補正:-1.0
- 感度:ISO 100
- ホワイトバランス:太陽光
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- 入選
- あやしき輝き
- 加藤 寛満さん
- Captured by Sony α7RM4
Sony FE 24-70mm F2.8 GM -
自分が感動した“何か”を捉え、表現する
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この作品では、北海道の伊達紋別大滝百畳敷洞窟の圧倒的な氷筍の数や氷の表情を余すことなく表現することで、この時の感動を伝えることを目標に撮影を行いました。ただし、この場所は光が洞窟の入口しかないため輝度差が大きく、最新のデジタルカメラを持ってしても見た印象をそのまま表現することができません。そこで今回はHDR合成、被写界深度合成を活用。この作品に限らず、今後も、自分が感動した“何か”を、プリプロセス、撮影プロセス、ポストプロセスを一体として確実に捉え、表現することを目指したいと思っています。
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- 焦点距離(35mmフィルム換算値):27mm
- シャッター速度:1/5秒
- 絞り値:F9.0
- 露出補正:±1.0EV 5枚ブラケット撮影
- 感度:ISO 100
- ホワイトバランス:オート
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- 入選
- bliss
- 平井 アキエさん
- Captured by Sony α6400
Sony E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS -
親子イルカのリラックスした表情を見るのは至福
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親子イルカのリラックスした表情を見るのは至福のとき。こうした海の世界にある自然の豊かさを表現すべく水中写真を撮っています。この際、大切なのは、自然の生き物たちの世界にお邪魔させていただいているという感謝の念。適切な距離を取りつつも、時には間近で遊んでもらったり、彼らと同調するよう心がけています。水中写真を撮り始めたのは5年前からですが、去年『α6400』に一目惚れしてミラーレスカメラに乗り換えました。水中撮影用のハウジングを装着していてもコンパクトで泳ぎやすく、こういった撮影に向いているなと感じています。
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- 焦点距離(35mmフィルム換算値):24mm
- シャッター速度:1/2000秒
- 絞り値:F4.0
- 露出補正:±0
- 感度:ISO 1250
- ホワイトバランス:オート
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- 入選
- 白銀のビーナスベルト
- 関口 陽子さん
- Captured by Sony α7RM3
Sony FE 16-35mm F2.8 GM -
雪の白とビーナスベルトのピンクの色合いを表現
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表現したかったのは朝の美しさです。前日に降った大雪で山々が真っ白に染まった朝、日の出の時間になる、ビーナスベルトというピンク色のラインがおりてきます。この白とピンクという雪景色ならではの色合いを表現することを目指しました。細かいところでは富士山の手前にある雲を滑らかに写すため、NDフィルターを装着して、シャッター速度をやや長めに設定しています。デジタル部門に応募したのは、入賞した作品が大きく美しいソニー製4Kテレビに表示される形で展示されるのを知っていたため。今回その願いが叶い嬉しく思います。
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- 焦点距離(35mmフィルム換算値):24mm
- シャッター速度:1/15秒
- 絞り値:F8.0
- 露出補正:±0
- 感度:ISO 100
- ホワイトバランス:オート
古くからのカメラファンが
腕を競う
「プリント部門」でも多くの
αユーザーが入賞
撮影者自らがプリントまでを行い、それを審査するプリント部門。デジタルフォト全盛の世の中ではありますが、今もなお「写真は紙で見るもの」という考えるカメラファンも少なくありません。5,000名近い応募があることもそれを裏付けていると言えるでしょう。ここでは、そんな「プリント部門」入賞作品の中から、ソニーαユーザーの撮影したものをピックアップして紹介します。
αで撮影されたプリント部門入賞作品はこちら
▼▼受賞作品をクリックすると、拡大してご確認いただけます▼▼
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- 優秀賞
- 食物連鎖
- 長野 美星子さん
- Captured by Sony α7RM3
Sony FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS -
目標は「ヒグマがマスをハンティングしているところを
ブレずにバチっと撮る」 -
その日は「ヒグマがマスをハンティングしているところをブレずにバチっと撮る」ことを目標に船に乗り込みました。船なので揺れが強かったのですが、膝や足や身体の支えに、使える部分全てを使ってカメラを支えながら撮影。マスから飛び散る水滴までバッチリ決めてくれたのは高速連写の『α7RM3』のおかげ。野生動物の毛質が伝わる高画質、素早いAF、女性の力でもしっかり固定できる軽量ボディなど大満足のカメラです。私にとってヒグマはとても尊い存在。いつまでも彼らが元気にハンティングする瞬間を見られるように守り続けていきたいです。
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- 焦点距離(35mmフィルム換算値):400mm
- シャッター速度:1/5000秒
- 絞り値:F5.6
- 露出補正:±0
- 感度:ISO 800
- ホワイトバランス:オート
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- 優秀賞
- ゆらぎ
- 皆川 幸恵さん
- Captured by Sony α77M2
Sonnar T* 135mm F1.8 ZA -
コサギに映った照り返しの縞模様が揺れて幻想的
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コサギに映った照り返しの縞模様が揺れて幻想的だったので、その雰囲気を表現できたらと思いました。白飛びしないよう、かなりアンダーで撮影しています。『α77M2』は秒間12コマという高速連写機能や操作性の良さが気に入っています。また、APS-Cサイズセンサーゆえに焦点距離が換算値1.5倍になるところが野鳥撮影に有利。今回使った135mmのツァイスレンズが使えることもこのカメラで撮り続けている理由です。ただ、さすがに少し重く感じるようになったので、次は数段進歩したミラーレスのαを試してみたいと思っています。
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- 焦点距離(35mmフィルム換算値):200mm
- シャッター速度:1/2500秒
- 絞り値:F2.8
- 露出補正:-3.0
- 感度:ISO 100
- ホワイトバランス:オート
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- 入選
- 縄張り争い
- 佐藤 宣雄さん
- Captured by Sony α7RM3
Sony FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS -
カンムリカイツブリの縄張り争いを
羽毛の表現にも気を遣って撮影 -
写真のシーンは、カンムリカイツブリのメス鳥の縄張りにオス鳥が侵入してきて争いになったところ。初めて撮影するシチュエーションで、しかも撮り直しのきかない場面でしたが、運にも恵まれなんとか撮影することができました。私の撮る対象は90%が野鳥、小動物なのですが、この際、こだわっているのがISOオートを使わないこと。オートでは羽毛のピントがいまいちだと感じています。ちなみにこの後、カメラを『α7RM4』に買い換えました。これと『FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS』の組みあわせがとても気に入っています。ピントがしっかり合い、操作性も良好です。
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- 焦点距離(35mmフィルム換算値):560mm(1.4倍テレコンバーター使用)
- シャッター速度:1/1250秒
- 絞り値:F8.0
- 露出補正:±0
- 感度:ISO 800
- ホワイトバランス:太陽光
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- 入選
- 初冬の寸景
- 北村 公和さん
- Captured by Sony α7RM2
Sony FE 16-35mm F2.8 GM -
凛とした初冬の一瞬の輝きを表現するのが狙い
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風景写真撮影時は、太陽の光、流れる雲、駆け抜ける風、そして夕景・朝景に移り変わる繊細な自然の表情を撮影することを心掛けています。この作品で狙ったのは立山の雲間から昇る朝日と、その光り反射するミドリガ池の薄氷をカメラにおさめ、凛とした初冬の一瞬の輝きを表現すること。なお、撮影に使った『α7RM2』は初めてのフルサイズ機として昨年4月に購入。秀逸なレンズが豊富に揃っており、かつ自然の空気感をダイレクトに表現できるカメラだと感じています。
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- 焦点距離(35mmフィルム換算値):16mm
- シャッター速度:1/2000秒
- 絞り値:F11.0
- 露出補正:-2.3
- 感度:ISO 100
- ホワイトバランス:オート
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- 入選
- 清流の妖精
- 佐藤 正亘さん
- Captured by Sony α7RM3
Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS -
清流に咲く梅花藻の美しさを
「宝物」として後世に残したい -
伏流水の冷たい綺麗な清流に梅花藻が咲くことは幼いころから知っていましたが、定年後に花の会 愛知の会員になった頃から、この光景に魅力を感じ、「宝物」として後世に伝えていきたいと考え始めるように。そしてチャンスは突然訪れました。早朝、現地で撮影構図を探していると、群青色の清流一面に梅花藻が咲き乱れる風景を発見。普通に撮影していては面白くないので、髪の毛の長い孫娘をイメージして撮りました。川面に散ったピンクのサルスベリの花が髪飾りのようにお洒落で感動しています。齢70余年を越え、体力が弱まってきた自分にとって、αは軽くて高性能な理想的な機材。生涯の生き甲斐ツールと考えています。
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- 焦点距離(35mmフィルム換算値):27mm
- シャッター速度:1/2秒
- 絞り値:F20.0
- 露出補正:±0
- 感度:ISO 125
- ホワイトバランス:太陽光
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- 栃木県一賞
- 雪泥漂う湯ノ湖
- 舘野 勝寿さん
- Captured by Sony α9
Sony FE 12-24mm F4 G -
奥日光で出会った千載一遇の雪泥風景を逃さず表現
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写真を初めてから40年以上、冬の造景を求め奥日光に通っていますが、このような大規模な雪泥風景に出会ったのは初めて。この千載一遇のチャンスをどう生かそうか試行錯誤した結果、水の中に入り、性能の良い『FE 12-24mm F4 G』で大胆に被写体に接近することで雪泥の表情を表現、奥の山を写し込むことで雄大さも強調してみました。αは撮影結果のシャープさ、フォーカス精度、ノイズ耐性などに優れ、従来カメラで必要だったこれらをカバーするための補助機材もいらなくなるため移動の不満も解消。三脚も軽量級のもので済むのがありがたいですね。今後のさらなる小型化・軽量化に期待しています。
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- 焦点距離(35mmフィルム換算値):13mm
- シャッター速度:1/40秒
- 絞り値:F10.0
- 露出補正:+0.3
- 感度:ISO 500
- ホワイトバランス:オート
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- 富山県一賞
- 天空への道
- 麻柄 智治さん
- Captured by Sony α7M3
Sony FE 70-200mm F4 G OSS -
女性が木道の先にある雲海に向かって歩いていくようなイメージを表現
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デジタル一眼カメラで写真を撮るようになったのは9年前から。普段は風景写真が多いのですが、最近では新たなフィールドを求めて山を登るようになり、今回の写真が撮れました。撮影時は、場所や時間帯を考慮して、その時感じた感動を捉えるようにしています。この作品では女性が木道の先にある雲海に向かって歩いていくようなイメージを表現してみました。愛用している『α7M3』は発売日に購入。コストパフォーマンスが高く、AF、高感度性能が高く、オールマイティーに使えるカメラです。
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- 焦点距離(35mmフィルム換算値):200mm
- シャッター速度:1/500秒
- 絞り値:F10.0
- 露出補正:±0
- 感度:ISO 100
- ホワイトバランス:オート
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- 岡山県一賞
- 新居を見つけたメジロの夫婦
- 中野 晏志さん
- Captured by Sony α33
Sony 100mm F2.8 Macro -
身を寄せ合うメジロの夫婦の仲睦まじさ
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実は写真コンテストに応募すること自体が初めて。カメラ自体は約10年前、中学生の頃に買ってもらった『α33』を持っていましたが、今ではほとんど撮影しておらず、昨年の12月にマクロレンズを購入したのを機に、動植物、特に昆虫を撮るようになりました。この作品では、メジロの夫婦の仲睦まじい姿を表現しようと考えました。身を寄せ合っているだけでなく、同じ方向を見ている瞬間というのがポイントです。
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- 焦点距離(35mmフィルム換算値):150mm
- シャッター速度:1/160秒
- 絞り値:F2.8
- 露出補正:+0.7
- 感度:ISO 125
- ホワイトバランス:オート
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- 鹿児島県一賞
- 輝く生き様
- 鶴田 重房さん
- Captured by Sony α7M3
TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD -
シンプルに屋久杉の力強さとフォルムを表現
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シンプルに屋久杉の力強さとフォルムを表現しました。ただ、撮影途中から太陽を画面に取り入れることを思いつき、ポジションを調整しながら周りの環境も少し取り入れた今の構図に落ち着きました。きちんと水平をとると杉が傾いて見えるため、あえて傾けて撮影しています。ソニーのカメラは小型化と高性能の両立が魅力的。特に首を痛めてしまってからはコンパクトさ=強さだと感じています。
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- 焦点距離(35mmフィルム換算値):17mm
- シャッター速度:1/20秒
- 絞り値:F16.0
- 露出補正:-1.0
- 感度:ISO 800
- ホワイトバランス:6500K
受賞作品をその目でご覧いただける
巡回展を日本全国で実施
今回の「日本の自然」写真コンテストの受賞作品および応募作品を、4Kブラビアの大画面で楽しめる巡回展が全国12カ所で開催。開催場所やスケジュールはこちらよりご確認ください。
- 2020年9月4日〜17日
- 東京都・中央区:ソニーイメージングギャラリー銀座 ※銀座プレイス6F
- 2020年9月26日〜10月7日
- 福岡県・福岡市:αプラザ ギャラリー ※ソニーストア 福岡天神内
- 2020年10月24日〜11月5日
- 北海道・札幌市:αプラザ ギャラリー ※ソニーストア 札幌内
- 2020年11月16日〜11月23日 ★中止
- 新潟県・柏崎市:ソフィアセンター(柏崎市立図書館)
- 2020年12月3日〜12月7日 ★中止
- 静岡県・沼津市:沼津市民文化センター
- 2020年12月10日〜12月18日
- 愛知県・名古屋市:αプラザ ギャラリー ※ソニーストア 名古屋内
- 2021年1月9日〜1月17日(1/12休)
- 愛知県・名古屋市:ノリタケの森ギャラリー
- 2021年1月29日〜1月31日
- 徳島県・徳島市:シビックセンター 3F ギャラリー
- 2021年2月23日〜2月27日
- 福島県・福島市:キョウワグループ・テルサホール
- 2021年3月12日〜3月17日(3/15休)
- 鳥取県・鳥取市:中電ふれあいホール
- 2021年4月2日〜4月18日(月休)
- 栃木県・塩谷郡:高根沢町歴史民俗資料館
- 2021年5月18日〜5月23日
- 岡山県・井原市:アクティブライフ井原
- 2021年6月19日〜7月25日
(6/21・28、7/5・12休) - 新潟県・新潟市:水の駅「ビュー福島潟」
- 2021年8月6日〜9月1日(木休)
- 兵庫県・神崎郡:ぎゃらりー&喫茶やまだ
あなたも4Kで見る写真体験
ご自身が撮影した写真やお持ちの映像を、実際の4Kブラビアに映し出してご覧いただけます。
テレビで楽しむ写真鑑賞スタイルの体験などにご利用ください。
ソニーストア 店舗のご案内
ご来場いただく方へのお願い事項
- 写真や映像はJPEGフォーマットにしてUSBメモリー等でお持ちください。
- 体験時間はお一人様15分までとさせていただきます。
- 混雑時はお待ちいただく場合がございますのでご了承ください。
- 著作権を侵害する写真・映像や公共の秩序に反する恐れのある、反社会的な写真・映像などのお持ち込みはご遠慮ください。
- ご不明な点がございましたら、各開催場所までお問い合わせください。
「妄想」したイメージ通りの写真を撮るため
2年かけて被写体を観察し続けた
こんな大きな賞をいただいたのはこれが初めて。身に余る光栄で、通知を見た時は驚きとうれしさで体が震えました。私は普段、北海道に生息している野生生物の家族をテーマに撮影しています。とりわけ「風景の中の野生生物」を撮影することを心がけており、この作品でも、四季の中で一番短い秋の季節感と、真っ赤に染まったもみじの中を急ぎ足で駆けて行くエゾリスの躍動感を表現するべく、構図とピントに集中して、木の真下からエゾリスを真正面で撮影しています。
私はいつも自分だけのオリジナルの写真が撮りたい、こういうイメージの写真が撮りたいと妄想し続けていて、車で移動している時でも気になるポイントや場所を見つけると、すぐに降車して探索を始めてしまいます。今回もまずカエデの木のフォルムが気に入り、近くにエゾリスが生息していることを発見したところで、こう撮りたいというイメージが浮かびました。その後、2年かけて観察し続けてついに撮影に成功。このシチュエーションで撮れるのはワンチャンスだったので、うまく捉えることができて良かったです。もちろん、どの風景も一期一会。良い条件も、悪い条件も全て、その一瞬一瞬をどう切り撮っていくかを考えて、集中してファインダーを覗いています。
なお、今回、デジタル部門に応募したのは、主役のエゾリスが小さめに写っていることや、背景のもみじの真っ赤な色合いなどが、デジタルの大画面に映えると感じたからです。
今後は、もっともっとたくさんの方に見ていただけるような機会を作っていきたいですね。いろいろな場所に作品を提供できるようなチャンスがあればいいなと思っています。