
α7R VIがもたらした「ピント合わせからの解放」――魚住誠一氏が語る、ポートレート撮影の新たな可能性
Rの解像、その先へ vol.1
写真家 魚住誠一 氏
魚住 誠一 / 写真家 1963年、愛知県生まれ。高校時代はインディーズ・ロック・バンドで活動。その後、ロサンゼルスでアンセル・アダムスの写真に出会い、風景写真を撮り始める。渡米を繰り返し、スタジオ・アシスタントを経て94年よりフリーとして活動。98年より拠点を東京に移す。現在はポートレイトを中心に雑誌や広告で活躍中。
長年α7Rシリーズを使い続けてきましたが、α7R VIを最初に手にした時は、前モデルと間違えてしまうくらい自然に馴染みました。もう直感で操作できる感じです。新しいバッテリーの変化も、言われなければ気づかないほど自然でした。私が撮影機材でいつも重視しているのは、いかに手に馴染むか?そしてレンズとのバランスです。長時間手にするものだからこそ、違和感なく撮影に集中できることが大切です。その点、α7R VIはこれまでと同じ感覚で撮影を進められる安心感がありました。
α7R VIの性能を引き出すために大切にした白色のイメージ
カメラとして正統派な進化を期待して最初の撮影に挑みましたが、新しいボディの性能を引き出すため、モデルは、限りなく白色に近いイメージの方を探していました。そのイメージにマッチしたのが、阿部凜さんです。メイク、スタイリングは当然にこだわりつつ、撮影ではスタジオでの自然光、ロケでの新緑、ストロボなど、かなり意地悪な条件でも撮影テストをしています。彼女の持っている白色のイメージを大切に撮りました。スタジオでは、FE 85mm F1.4 GM IIを使用し、自然光を活かしたフラットなライティングで光をまわし、ナチュラルな質感を狙いました。
高解像だけではない、まず感じたダイナミックレンジの広さ
まず撮影した絵を見て一番に感じたのは、静止画最大約16ストップのダイナミックレンジ(メカシャッター時)の広さです。特に暗部の階調がさらに美しく表現出来ていると感じました。高感度のISO6400辺りでも滑らかなトーンなのに驚きました。
肌色を自然に描く、進化したオートホワイトバランス
今回、特に印象的だったのが、進化したオートホワイトバランス(以下、AWB)です。実に好ましい肌色を見せてくれます。私は、クリエイティブルックのPTを多用しているのですが、RAW現像の時にカメラが出してくるAWBがかなり参考になりました。今回はほぼ、そのままで現像しています。
こちらは、緑が肌色に被ってくる条件ですが、人物の肌色を自然で上品な仕上がりになるところが新しいAWBのいいところです。
また、赤色が強く反射するような難しい条件でも見た目に近い絵に仕上がります。これからはAWBで魚住はいきます。
「ピント合わせからの解放」を実現したリアルタイム認識AF+
α7R VIでは確実にAF性能が進化しています。リアルタイム認識AF+となり、モデルの動きで追いつけない条件は無いぐらいにピントは来てしまうのです。今回のように手前に水の飛沫が大きく飛んでいてもAFは確実にモデルの瞳を捉え続けていました。これは、ピント合わせからの解放です。AF性能の信頼性は、人ができる限界を超えていると感じます。モデル撮影なら全く問題ありません。
強い光も味方にできるダイナミックレンジ
これからの季節、太陽との闘いになります。輝度差が大きい条件での撮影が多くなるのですが、ダイナミックレンジの広さがここで生きてきます。シャドーが潰れない。ハイライトが飛ばない。RAWデータならかなり表現できる絵が可能になります。
この夏は、太陽とお友達になれるチャンス。輝度差がある条件でポートレートを撮りたくなるのです。
苦手・課題、その多くを解決してくれるα7R VI
2026年最高のボディを手に入れた感があります。今まで苦手としていた動き回るモデルの連写。新緑の色被りからの解放。高感度での階調とノイズの低減。動画撮影時の手ブレ補正がずば抜けて良い。さらに、ファインダーの見え方がクリアで、特にピントが合っているところがわかりやすい。バッテリーの進化のおかげで、ストレスなく一日中撮れるのも最高です。予備バッテリー1個あれば何とかなる。そこが安心感につながります。24時間どこでも撮れる、そんな新しい可能性を感じさせてくれるカメラです。
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