
α7R VIが支える野鳥撮影――山田芳文氏が語る、高解像とスピードの魅力
Rの解像、その先へ vol.5
写真家 山田芳文 氏
α7R Vを愛用していますが、α7R VIは操作性が非常に近いため、手にした瞬間からすぐに馴染みました。まるで何年も使い続けているカメラのような感覚で撮影を始めることができました。一方で、「これは別物だ」と感じた部分もあります。それがファインダーです。非常に見やすく、美しい表示のおかげで、ファインダーをのぞくだけで気分が高まり、撮影が楽しくなります。さまざまな野鳥を撮影してきましたが、第一印象は最後まで変わりませんでした。普通なら慣れてしまうはずですが、このファインダーだけは何度使っても「やっぱり綺麗だ」と感じます。これはぜひ声を大にして伝えたいポイントです。
「普通の鳥を普通にちゃんと撮る」という変わらないテーマ
そんな撮影体験の土台にあるのが、私自身の作品づくりの考え方です。「普通の鳥を普通にちゃんと撮る」。それが私の永遠のテーマです。当たり前のことや分かりきったことでも手を抜かず、一つひとつ丁寧に積み重ねることを大切にしながら、身近な野鳥を中心に撮影を続けています。写真や映像は記録でもありますから、「何が写っているか」(野鳥でいうと鳥の種類)は大切ですが、僕はそれ以上に「どのように写っているか」(作品で伝えたい内容)に重きをおいて作家活動をしています。
高解像だからこそ表現できる、想像が広がる一枚
その考え方を象徴しているのが、このアオサギの一枚です。この写真を見た人が、「これは何だろう」から始まり、「鳥の足かもしれない」「もしかしてアオサギでは?」と、想像を膨らませながら写真を読んでいってもらえるように、あえて足を寄りで撮ったカットです。仕事として生き物を撮影する場合は、できるだけ説明的に撮ることが求められることが多いですが、作品創作では画面の外まで想像が広がるような表現を意識しています。また、このような作品はやはり、高解像のカメラで撮っておきたいので、α7R VIで撮影しましたが、ご覧の通り、鱗模様のような質感が克明に描き出すことができました。
信頼できるAF性能だからこそ、構図づくりに集中できる
一方で、広大な風景の中に野鳥を小さく配置する作品では、AF性能の進化を強く実感しました。僕がソニーのαを愛用している理由のひとつが、被写体認識性能です。AFの精度やスピード、追随性能などは、鳥を撮っている人たちにとって、αがスゴいことは今ではもう常識となっていますが、被写体認識も非常に優秀です。
こちらの2枚のように、遠くにいる鳥を添景にして鳥を小さく写す場合、被写体認識が難しくなるのですが、僕はAF性能を完全に信用しているので、AF時の被写体認識を「入」にしたままで、フレーミングに全集中して撮ることができました。
暗いシーンでも安心して任せられるAF性能
AF性能の進化は、暗いシーンでも印象的でした。あまり明るい時間帯ではない中、ハクチョウたちの白を印象的に見せたかったので、露出をきりつめて、ハクチョウ以外は落ち気味になるように撮影しています。中央の毛繕いしているコハクチョウを主役にして、その個体の目にピントを合わせたかったのですが、ここでもAF時の被写体認識は「入」の設定のままで(かつてこのような条件では「切」にしていた)、認識して合焦してくれました。「首が長い鳥は認識が難しい」はα7R VIにとっては、もう昔話なのかもしれません。
高解像と高速連写が、決定的瞬間を作品へと変える
高解像モデルのα7Rシリーズは、連写性能は控えめなイメージでしたが、α7R VIになって、最高約30コマ/秒(電子シャッター時)になり、スピード系の高解像モデルになったように感じています。
これまではα1 IIやα9 IIIで撮影することが多かった瞬間をとらえる絵面も撮るべく、今回はウミネコとコハクチョウの飛翔をα7R VIで撮影しましたが、ストレスフリーで快適に撮影できました。これからも瞬間を有効最大約6680万画素で残せると思うとワクワクしてきます。
G Masterだからこそ描ける空気感
こちらは、小雨が降る中、キアシシギの群れが池の中ほどに積み上げられた石の上で休んでいるところをいくつかのパターンで撮り分けたうちの2枚です。僕が今、一番お気に入りの組み合わせであるα7R VI+FE 100-400mm F4.5 GM OSSで撮りました。1枚目は静かな時間を伝えるために、400mm域にしてシンプルに切り取り、2枚目は周囲がどんなところなのかがわかるように135mm域にして撮っています。フォーカスポイントがすこぶるシャープなのは言うまでもなく、小雨が降るちょっともやっとした空気感も描写できていると感じています。ただシャープに像を結ぶだけでなく、その場の雰囲気まで表現できるところが、G Masterならではの魅力です。また、純正レンズだからこそ、α7R VIのスピードを余すことなく引き出せる点も、大きな安心感につながっています。
野鳥撮影の新たな表現を切り拓く一台
高解像とスピードを高い次元で両立したα7R VIは、画素数や連写速度といった数値で表せる性能が優秀なのはもちろん、それ以上に数値化が困難で表に出てこない撮る道具としての使いやすさも優秀です。見やすくて綺麗なファインダー、実は微妙に変わったグリップはより握りやすくなり、背面ボタンも光るようになりました。そして、新しくなったバッテリーは様々な機能を使用しても十分なスタミナがあり、快適です。このカメラで遠くにいる鳥を添景にした瞬間風景を撮りたいと思っていて、そのようなシーンを求めて今、いろいろなフィールドに足を運んでいるところです。作品が撮れたら、いつかどこかで、大きな画面で、皆様に見ていただくことを楽しみにしています。
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