
α7R VIが引き出す、自然が持つ本来の美しさ――萩原れいこ氏が語る、感動の鮮度を写し止める表現力
Rの解像、その先へ vol.4
写真家 萩原れいこ 氏
α7R VIを初めて手にした時、サイズや重量感、ボタン配置などは従来のα7R Vを踏襲しつつ、グリップの握りやすさやファインダーの美しさが向上しており、操作性の細やかな磨き込みが感じられました。そのおかげで、これまで以上にリズムよく快適に撮影でき、ファインダーをのぞくたびに高揚感が湧いてきます。描写も一層リアルになった印象で、撮影後にモニターを見て思わず「わぁ」と声が漏れる場面も少なくありませんでした。撮影を重ねるほどに、カメラがより身体の一部になったような感覚を覚えました。
自然への敬意と、生命のつながりを作品に込める
そうして撮影に集中できるからこそ、自然と真摯に向き合うことができます。私にとって主役は、あくまで自然であり、私自身ではありません。自分が作品をつくるというよりも、「撮らせていただいている」という気持ちを忘れず、感謝の念を持って撮影しています。そのため、被写体を「知る」ことを大切にしています。初めて訪れる場所では、風景の成り立ちを事前に学ぶよう心がけています。私は自然が大好きなので、その愛情がにじむ作品を撮りたい。小さな動植物にも命があり、それぞれの暮らしがあります。生命の尊さや自然のつながりを、作品に込めたいと願っています。
季節が重なり合う風景を、臨場感豊かにで描く
そんな思いで自然と向き合う中で出合ったのが、この風景でした。春にもかかわらず氷点下まで冷え込んだ早朝。峠に霧氷が現れることを期待して出かけると、雪解けを終えて姿を現した大地には、昨年の紅葉の名残があり、長い冬の眠りから目覚めたような気配を感じます。春の残雪、冬の霧氷、秋の紅葉という異なる季節の痕跡が重なる風景を前にし、自然の雄大さと時の流れに深く心を動かされました。繊細な彩りや緻密な大地の表情、そして春のやわらかな光まで、α7R VIだからこそ臨場感豊かに描き出せたと感じています。
広いダイナミックレンジが、風景表現の自由度を高める
このような繊細な風景を撮影する中で、特に実感したのがダイナミックレンジです。静止画最大約16ストップの広いダイナミックレンジ(メカシャッター使用時)のおかげで、これまで輝度差が大きく諦めていた場面でも撮影できるようになりました。またα7R VIはDレンジオプティマイザー(DRO)を最大Lv8まで設定でき、逆光下でも暗部のディテールを確認できるため、構図を丁寧に追い込めます。
手持ちで素早く撮影する際も、白飛びや黒潰れを気にせず撮影に集中できるのは大きな魅力です。さらに順光では、柔らかな空のグラデーションや斜光に照らされた大地を繊細に描写でき、豊かな階調表現の恩恵を実感しています。
進化したオートホワイトバランスが自然本来の色彩をより忠実に再現
豊かな階調表現に加え、色再現の進化も印象的でした。自然には繊細で多彩な色が散りばめられており、新緑や花々の微妙な色の違いを描き分けることで、豊かな多様性を持つ自然の魅力を表現したいと考えています。一方で、色合いは撮影する時間帯や光の状況によって変化するため、被写体本来の色を忠実に再現することには苦労してきました。α7R VIはオートホワイトバランスの精度が向上しており、夕暮れ時や森の中など色かぶりしやすい環境でも、より自然で忠実な色再現ができるようになりました。
機動力の進化が、風景表現の可能性を広げる
α7R VIを使うことで描写性能だけでなく、撮影スタイルそのものにも変化を感じています。Rシリーズに高速連写性能とプリ撮影機能が備わったことで、風景表現の幅が大きく広がったと感じています。これまで風に舞う花びらや雪煙などの決定的瞬間を捉えるには、多くの時間と運が必要でした。躍動感あふれる風景を確実に捉えられるのは大きな進化であり、生き物を取り入れた風景表現も今後さらに広がるでしょう。
また、4軸マルチアングル液晶モニターによって、背の低いサクラソウにも正確にピントを合わせられ、真横からでも快適に撮影できました。
感動したその瞬間を、ありのままに残せるα7R VI
こうした一つひとつの進化を通して感じたのは、α7R VIがより感覚に直結したカメラになったと感じています。目で見た美しい光や色、一瞬の出来事など、感覚で捉えた刹那の輝きをしっかりと写し止めてくれます。私は写真に「感動の鮮度」を込めることを大切にしているため、カメラに不自由を感じることなく、心震えた瞬間を逃さず撮れるのは大変心強いです。圧倒的な臨場感で表現できるからこそ、これからも朝夕の繊細な光のニュアンスや肌で感じた空気感、さらには生き物が暮らす風景なども描いていきたいと思います。
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