

鉄道絶景+α
第22回道南いさりび鉄道(北海道)
鉄道写真家 中井精也 氏
撮影日:6月2日 15時46分道南いさりび鉄道(上磯〜茂辺地)
函館山を背景に走る、朱色5号(タラコ色)のキハ40形。JR北海道では定期列車の運用が終了しただけに貴重な存在だ。車両を細部まで写し出すα7R VIの描写力に、心から魅了された1枚である
有効最大約6,680万画素の臨場感。αで撮るキハ40
今回旅をしたのは、北海道の道南いさりび鉄道だ。僕の大好きな「キハ40形」が、今も現役で活躍している路線である。旅の相棒は、登場したばかりのニューモデル、αシリーズ最高峰の有効最大約6,680万画素を誇るα7R VIだ。
メインカットは、函館湾に浮かぶようにそびえる函館山を背景に、国鉄色のキハ40形を捉えた。高画素ならではの高精細な描写がもたらす立体感と臨場感には、ただ圧倒される。画面内の列車は決して大きくないが、車両番号がしっかりと読み取れるほど緻密に描写されている。それでいてカリッとしすぎる硬さはなく、まるで肉眼で風景を眺めているかのように自然だ。これは、α7R VIが実現した広いダイナミックレンジの恩恵と言える。さらに驚いたのは、連写時の連続撮影可能枚数だ。これほどの高画素機になると「連続撮影枚数が少なくなるのでは」という懸念を抱きがちだが、それは杞憂だった。RAWとJPEGの同時記録、メカシャッターによる最高約10コマ/秒の高速連写で撮影を続けても、バッファが詰まることなく、シャッターチャンスを逃すことは一度もなかった。高性能なAFも、撮影を快適にサポートしてくれる。AIプロセッシングユニットによるリアルタイム認識AFを使えば、遠くを横切る列車を瞬時に認識し、完璧にピントを合わせ続けてくれた。「鉄道風景写真は置きピンで撮る」という従来のセオリーを覆す、革新的な性能だ。今回の撮影では、高画素を生かすために近景から遠景までを1枚に盛り込み、奥行きのある構図を意識した。α7R VIの解像力とG Masterの美しいぼけ味が相まって、大好きな車両を生き生きと表現できた。新たな相棒との出合いに、胸が高鳴っている。
撮影日:6月2日 9時12分道南いさりび鉄道(札苅駅)
札苅(さつかり)駅前で出会ったおばあさんが植えたジャコウソウ。駅を美しく飾りたいという思いに感動した。通りかかる貨物列車と絡め、華やかな作品に仕上げた
撮影日:6月2日 10時10分道南いさりび鉄道(久根別〜清川口)
列車の車窓から見つけた駒ヶ岳。FE 100-400mm F4.5 GM OSSで撮影した。新しい設計となったこのレンズは、抜群の描写力を誇りながら驚くほど軽く、使い勝手が良い
撮影日:6月2日 14時15分道南いさりび鉄道(茂辺地〜石狩当別)
特急「はつかり」や快速「海峡」と函館山を撮影した名所も今は深いヤブの中だ。なんとかたどり着き、FE 100-400mm F4.5 GM OSSで狙った。あの頃と変わらない絶景に感動している
撮影日:6月3日 7時37分道南いさりび鉄道(茂辺地〜石狩当別)
茂辺地(もへじ)漁港と列車を狙う。FE 28-70mm F2 GMの開放絞りで撮影した。高精細なα7R VIの解像力と、G Masterの美しいぼけ味が極上の立体感を生み出している
<Pickup CAMERA>
α7R VI
α7Rシリーズ初となる積層型CMOSイメージセンサーと、AI処理機能を内蔵した新世代画像処理エンジン「BIONZ XR2」を採用したα7R VI。精緻な描写力だけでなく、鉄道のような動体撮影に役立つ高速連写やブラックアウトフリー撮影、優れたAF性能を兼ね備える。鉄道風景から高速で迫る新幹線の撮影まで、オールラウンドに活躍する。
<Photo Technique>
驚異的な描写力を誇るα7R VI
函館山を背景に見開きで掲載したキハ40形の写真を部分拡大してみる。風景写真でありながら、「自動ドア」の表示や所属表記の「南イサ」まで読み取れる。画面内の列車のサイズを考えれば、α7R VIの描写力がいかに驚異的な高精細であるかが分かるだろう。
<絶景EPISODE>
高画素が生み出す、鋭いピントと美しくなだらかなぼけ味撮影日:6月3日 11時18分道南いさりび鉄道(渡島当別〜釜谷)
線路脇の斜面で人知れず咲くゼンテイカ。その可憐(かれん)な姿と鮮やかな色彩を主題に据え、国鉄色のキハ40形を背景にぼかして撮影した。高画素がもたらす高精細な描写力は、こうした繊細なシーンでも真価を発揮する。主役の花から背景の列車へと滑らかにつながる美しいぼけ味が、奥行きのある作品に仕上げてくれた
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