野鳥撮影で感じたRX10 Vの実力

YouTuber とむ 氏

α Universe editorial team

とむ / YouTuber 野鳥撮影をもっと楽しむためのYouTubeチャンネル「野鳥撮影沼【とむチャンネル】」を運営。コンデジから野鳥撮影を始め今はミラーレスカメラで撮影を楽しむ傍らYouTuberとして活動している。林道や森の中での小鳥の撮影を得意とし、現在は北群馬の山の近くを活動拠点として四季折々の豊かな景色と共に野鳥撮影を楽しんでいる。ずっとシジュウカラが好きだが最近はカヤクグリに浮気しがち。YouTube:https://www.youtube.com/@tom_wildbird

超望遠ズームレンズを搭載したRX10 V。今回は普段から野鳥撮影を楽しむとむさんに、実際に使用した感想を伺いました。

フルサイズαユーザーが驚いた、「違和感のなさ」

最初に手に持った印象は「カッコイイ!」でした。高級感があり、αのフルサイズミラーレスを持った時のようなワクワクを感じ、撮影に行くのが楽しみになりました。実際に野鳥撮影で使った時に最初に感じたことは実は「違和感のなさ」です。驚くべきことに被写体の認識力やAFの速度が普段使っているフルサイズミラーレスのそれと大きな差を感じなかったのです。素直にこれはすごいことだと感じました。

野鳥を警戒させない距離から撮れる、600mm*1超望遠の魅力

ペットの撮影や動物園での撮影と違い、野生下の動物や野鳥は人間に対する警戒心が高い場合が多いです。特に私が好きな小鳥サイズの野鳥撮影では被写体が小さいため、大きく写すためには600mm*1以上の超望遠域があることが望ましく、野鳥を警戒させない位置から撮影できることが超望遠域の魅力です。実際に、公園という身近な場所であっても一定の距離を保つシジュウカラも、600mm*1の望遠域なら表情がわかる程度まで大きく撮影できました。600mm*1の望遠域でも高画質で被写体を切り取ることができる点はスマートフォンや一般的なコンデジではまだ味わえない魅力と言えるでしょう。

RX10 V,24mm,F5.6,1/250秒,ISO100
RX10 V,600mm,F4,1/250秒,ISO100

動き回るアサギマダラを見失わない、認識AFとBOF

RX10 Vの特筆すべき魅力はこの2点だと感じています。この蝶はアサギマダラという旅をすることで有名な蝶ですが、不規則にふわふわと動き周るため、いざ撮影しようとするとかなり難しいのです。しかし、画角内で一度食いついたら簡単には離さないAF性能と、連写中も像が途切れることなく見えるBOFのおかげで、動き回るアサギマダラを見失うことなく撮影できました。最高約30コマ/秒の高速連写*2は、好きな羽の形になっているタイミングの1枚を選ぶことだって可能です。

RX10 V,525mm,F4,1/3200秒,ISO1000

レンズ交換から解放される、レンズ一体型ならではの魅力

広角から望遠まで撮れるレンズが一体になっているというのは、レンズ交換の手間が省ける点で大変魅力です。実際ちょっといいなと思ったシーンが探鳥中にあったとしても、レンズ交換の煩わしさや霧の中や海辺など、レンズ交換をすべきでないタイミングであったために撮影しなかったシーンが数多く存在します。そんな時にレンズ一体型のカメラであれば、他の焦点域のレンズを持ち運ぶ必要もなく、すぐに好きな焦点距離を自由に選び、自分が魅力に感じた瞬間・思い出も気兼ねなく撮影できることが魅力です。ただし気兼ねなく撮影しすぎて撮影後の写真選びにいつもより時間がかかったことも書き残しておきます。

「やるときはやってくれる」描写性能

滑らかなぼけ、柔らかな光や被写体の質感をそのまま写し残す1.0型センサー×ZEISSレンズの豊かな表現力で、近くの被写体を撮影した時はミラーレスを使った時の描写に迫るものがあると感じました。ただし野鳥の場合はシビアなシーンが多いと言わざるをえず、遠かったり暗いシーンでは物足りなさを感じるものの、被写体との距離が10m以内など近くで撮影できた時には羽毛の1本1本も分かる見事な描写を見せてくれました。シャッターを切ったらすべてが良く撮れるような描写性能ではありませんが、失敗を重ねながらも素晴らしい1枚が残った喜び。そんな感情を思い出させてくれるような「やるときはやってくれる」危なっかしくもあり頼り甲斐もある描写性能です。

RX10 V,329mm,F4,1/320秒,ISO200
RX10 V,600mm,F4,1/320秒,ISO100

膨大な連写枚数の中で出会えた、お気に入りの一枚

個人的に素晴らしい1枚が撮れたと思っているのはこのツバメです。初夏の本気を出し始めた太陽が照りつける朝の田んぼの上で、朝食を求めて飛び回るツバメを狙ってみました。よく見ると写真の右上に、カゲロウでしょうか?小さな羽虫が写っています。実はこの1枚、空中で羽虫を見つけ、食べる瞬間に羽を大きく広げてやや減速している瞬間なのです。大きく広げた羽に朝の太陽光が当たり、ほのかにきらりと光る一瞬、狙ったわけではないのですがそんな1枚が膨大な連写枚数の中にあったことに胸が踊りました。いつ見てもツバメが元気に飛び回る初夏の田んぼの空気感を思い出せるような、そんなお気に入りの1枚です。

RX10 V,350mm,F4,1/3200秒,ISO100

野鳥撮影だけではもったいないカメラ

野鳥撮影をしている身ではありますが、野鳥撮影のみの用途で使用するにはあまりにももったいないカメラです。「どんな時でも誰にでも」とは私は思っておらず、私が特におすすめしたいのは、登山やハイキングにて、野鳥撮影が主目的ではないけれど花も風景も野鳥も撮りたい、だけど荷物は少ない方がいい。そんなシーンで大活躍間違いなしのカメラではないでしょうか。また、野鳥好きな方であれば家族や友人との旅先で「あ!あんなところにあの野鳥が!でも今スマートフォンしかない…」そんな経験を一度はしたことがあるはずです笑。そんな時にこのカメラがあれば大切な人との思い出も、野鳥もこの一台で記録に残すことができるでしょう。普段の、被写体が決まった作品として撮影するのは超望遠レンズとミラーレス、だけどこのセットを持っていきにくい時にはRX10 V、そんな使い分けがこのカメラを最も幸せに使えるのではないかと私は思っています。最後までお読みいただきありがとうございました!

*1 35mm判画角相当の焦点距離イメージです*2 電子シャッター使用時。[Hi+]連写モード。撮影条件によっては連続撮影の速度が遅くなります

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