
長山一樹がα7R VIで写し出す、山�ア天の新しい輪郭
フォトグラファー 長山一樹 氏
ソニーの新製品α7R VIを手に、長山一樹が山�ア天を撮り下ろした。テーマは「RED」「BEAUTY」「MANNISH」。赤一色の空間、繊細な光をまとったビューティー、そしてマニッシュなポートレイト。そこに写し出されたのは、アイドルとしてのパブリックイメージとは異なる、山�ア天の新しい輪郭だった。
P=長山一樹 AD+D=タキ加奈子(soda design) Make=UDA Hair=森岡祐介 ST=吉田恵 美術=松本千広 Model=山�ア天(櫻坂46)
長山一樹 / フォトグラファーS-14所属。守本勝英氏に師事。ファッション、広告、ポートレイトで活動。THE FIRST TAKEの撮影監督。Instagram:@kazuki_nagayama@mr_nagayama
山�ア天 / 櫻坂462005年9月28日生まれ、大阪府出身。A型。アイドルグループ・櫻坂46のメンバーで、2期生。Instagram:@yamasaki.ten
INTERVIEW
赤い空間の中で強い眼差しを向ける「RED」、繊細な光と質感が重なる「BEAUTY」、そして別人のような表情を見せる「MANNISH」。それぞれのビジュアルは、どのような発想から生まれ、どのように形になっていったのか。美術、ヘア、メイク、スタイリングには、長山が信頼を寄せる、日本のクリエイティブシーンを牽引するスタッフが参加。普段は中判カメラを使うことも多い長山が、α7R VIに感じた高解像、AF性能、ダイナミックレンジ、そして撮影後の展開力とは。3つのビジュアルに込めた狙いとともに聞いた。
――今回の撮影は、ソニーの新製品α7R VIを使い、山�ア天さんを撮り下ろすという企画でした。まず、どのようなテーマで撮影に臨まれたのでしょうか。せっかく『コマーシャル・フォト』の表紙巻頭で撮影するのであれば、通常の仕事の延長線上にありながら、仕事ではなかなかできないことをやりたいということでした。自分が撮りたいイメージと、山�アさんという被写体のイメージを照らし合わせながら、最終的に「RED」「BEAUTY」「MANNISH」という3つのテーマに絞っていきました。
僕が以前山�アさんを撮影したのはYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」の動画とスチル撮影で、その鋭い目線がとても印象的でした。本職はアイドルでありながら、かわいらしさだけではない“強さ”がある。その強さを深掘りするために、まず「赤」をテーマにしたいと思いました。赤という色は、強さがあります。ページをめくった瞬間に印象が残るし、山�アさんの持つ強い目線や佇まいとも相性がいいと思いました。
――「RED」は、衣装や美術も含めて非常に強いビジュアルになりました。背景も、ただ赤いバック紙を使うのではなく、作り込みが見えるものにしたかったんです。美術の松本さんには直接会いに行き、大きなセットではなくていいので、赤い箱のような空間にしたいと話しました。結果として作ってもらったのは、特定の地域や時代感の印象がつきすぎないように、カーペットのうねりや造形の面白さのみで見せるような、小さな赤い部屋です。
通常のポートレイトの仕事では、被写体の存在感をストレートに表現するために中望遠レンズを使うことが多いですが、「RED」では奥行きやセットの造形も絵の強さとして残したかったので、普段はあまり使わない16-35mmを使い、ワイド側でパースをつけました。小さな箱のような空間をあえて広角で捉えることで、山�アさんの存在感と背景の奥行きが同時に立ち上がるようにしたかったんです。
高解像で繊細な密度を余すことなく捉える
――α7R VIを使って、印象に残ったことは何でしたか。やはり解像感に驚きました。ピントが合った瞬間の情報量がとても豊かで、細部までしっかり描写される印象がありました。しかもフォーカスの精度が非常に高い。解像度だけが高くてもピントが甘ければ意味がありませんが、実際に撮った画像を確認すると、肌の質感や髪の毛の一本一本、メイクの細かなニュアンスまで見えてきて、「ここまで写るのか」と感じる場面が何度もありました。
特に山�アさんの顔に赤いヴェールを重ねたカットでは、どうしても全体が甘く、ふわっと流れてしまいがちです。けれどα7R VIは、ヴェールの透け感や赤のニュアンスを残しながら、その奥にある瞳の輪郭や視線の強さまでしっかり描写されていました。柔らかな質感の中に、必要な芯がきちんと残っている。そこに有効最大約6680万画素の高解像機ならではの説得力を感じました。
また、「RED」のカットには、マットなもの、光沢のあるもの、布、ヴェールなど、素材の違うものがたくさん入っています。赤一色の世界の中で、それぞれの素材の違いをどう写し分けられるか。そこはα7R VIの解像感や広いダイナミックレンジを見せるうえでも、面白いテーマになると思いました。単色の世界だからこそ、階調や質感の差が見えないと、ただ赤いだけの画になってしまう。α7R VIは、同じ赤の中にあるマットな質感、光沢、布の柔らかさ、ヴェールの透け感、美術の造形まで、細かく描き分けてくれた印象があります。
リアルタイム認識AF+と高速連写が、撮影の楽しさを広げる
――「RED」では、ピンポン玉を使った動きのあるカットもありました。普段あまり使わない認識AFや最高約30コマ/秒(電子シャッター使用時)の連写を生かせるシーンとして組み立てました。真っ赤な空間の中に白い水玉が入るビジュアルとしても面白いなと。ピンポン玉を200個用意して、スタッフ5〜6人でいろいろな方向から投げました。ピンポン玉で顔が半分以上隠れていても瞳を追いかけてくれるし、最高約30コマ/秒(電子シャッター使用時)で撮れるから、表情と動きのちょうどいい瞬間を拾える。自分で撮っていても、ちょっと“ズルしている”ような気持ちになるくらい簡単で楽しかったです(笑)。散らばったピンポン玉を集めて投げて…を繰り返すので、すごく時間がかかるかなと思ったのですが、α7R VIと山�アさんの表情管理のおかげで、10分足らずで撮り終わりました。
硬さと柔らかさがシームレスにつながる質感
――「BEAUTY」のパートでは、「RED」とはまた違う繊細さがありました。メイクは、どうしてもUDAさんにお願いしたかったんです。UDAさんのすごいところは、ナチュラルなメイクも創作的なメイクも、どちらの技術もトップに素晴らしいところです。「RED」は華やかな赤リップ、「MANNISH」ではほぼノーメイクのような軽やかさ、「BEAUTY」では、寄りの世界の中に繊細な艶感とマット感、ラメやビジューのきらめきが共存しているような表現を目指しました。
ライティングに関しては、“いかにもビューティ”というものではなく、あえて自然光を使い、距離感と被写界深度で見せる絵にしました。ラメのメイクも、見えすぎると粒々感が立ちすぎることがあるので、目元やアウトフォーカスしていく部分が繊細にボケていくような見え方がきれいだと思いました。必要に応じてLEDライトを差し込み、目や艶のきらめきに少し光を足していく。強いライティングではなく、柔らかいグラデーションの中で反射を拾うような撮り方です。
僕は普段、中判カメラを使うことが多いのですが、中判だともっと柔らかい表現になります。もちろんそれが魅力でもあるのですが、α7R VIには、いい意味でのコントラストやディテールの強さが自然と出てくる感覚がありました。そうはいってもカリカリしすぎるシャープさではなく、硬いところと柔らかいところがシームレスにつながっている。その強さが、山�アさんの目線や髪の質感、風に揺れる毛のニュアンスにも合っていたと思います。
写真の質につながるラチチュードの広さ
――3つ目のテーマは「MANNISH」なポートレイトです。「RED」や「BEAUTY」とはまた全然違うイメージで、ハンサムなボブヘアのマニッシュなスタイル。「これは本当に山�アさんなの?」と思ってもらいたいなと。ヘアの森岡さんは、毛のニュアンスの作り方がすごく上手い。出すぎても違うし、足りなくても成立しない。そのちょうどいいバランスを、いつもいい具合に作ってくれる。写真を見ながら反応して、こちらが求めているニュアンスを現場で汲み取ってくれるので、今回のマニッシュな表現にもすごく効いていたと思います。
スタイリングの吉田さんとは同い年で、これまでも現場を共有してきたので感覚の近さを感じています。今回も単にファッションとして強い服というより、山�アさんの存在感に少しクセや強さを加えられる人がいいと思っていました。明確な正解がある撮影ではないので、その場で出てくるアイデアや感覚をすぐ共有できることが大事なんです。吉田さんとはそのコミュニケーションが早く、現場で自然にいい流れを作っていけました。
――強めのサイド光の表現でしたが、ダイナミックレンジの広さを感じましたか。「MANNISH」はまさにα7R VIのダイナミックレンジの広さを表現するために設定したテーマでした。僕は古い西洋絵画のような、サイド光でハイライトからローまでグラデーションしていく、階調の豊かな絵が好きなんです。特にモノクロでは、色がない分、階調で絵を見ることになる。今回もそういうサイド光のポートレイトを撮りたいと思っていましたが、男性には効果的でも、女性にはやや強すぎるライトです。そのための「MANNISH」です。サイド光では、ハイライトが飛び気味になったり、シャドウが沈みすぎたりしやすい。でもα7R VIは、ハイライトが強く出すぎず、シャドウの中にも質感が残る。そのラチチュードの広さは、写真の質に直結すると思いました。明るいところから暗いところまでのつながりが自然で、陰影のあるポートレイトでも安心感がありました
高解像は、撮影後の安心感にもつながる
――プロの現場で使うカメラとして、α7R VIに魅力を感じた点は。なんといっても安心感ですね。もちろん2,000万画素台のカメラでも仕事は可能です。でも今の時代、撮影後に横位置を縦に使うとか、バナー用に天地を調整するとか、SNSも含めて多様な比率で写真が使われることが増えています。そういう時に、解像度はあればあるほど助かります。トリミングしても破綻しにくいし、寄った時にもノートリミングのような解像感が残る。今回も、表紙、誌面、OOH、作品展など、様々な使われ方が想定されています。そういう展開を考えると、高解像であることの意味は大きい。大きく見せても、近くで見ても、情報がちゃんと残っているという安心感があります。
――今回の撮影を振り返って。「RED」「BEAUTY」「MANNISH」で、それぞれ狙っていたものが撮れました。撮影は自分の意思がありつつも、スタッフ全員の力が合わさって成立するものだと思います。今回は美術、ヘア、メイク、スタイリング、すべてドリームチームでした。ひとりよがりにならず、みんなの力を受け取りながら、最終的に撮る責任が僕にはある。長い撮影でしたが、力を抜くカットが一つとしてなく、それぞれのカットに意味がありました。α7R VIについては、正直、本気で欲しいです(笑)。普段中判を使うことも多いですが、それとは違う可能性の幅がある。高解像、AF性能、ダイナミックレンジの広さ、連写性能、そして撮影後の展開のしやすさ。その全てが、今回のような撮影では大きな武器になると思いました。
MAKING
Behind The Scene Movie
MOVIEhttps://youtu.be/ZGvnO51JFNw?si=R1EFM4epFChqqmO5
INFORMATION
Exhibition作品展「見たことのない世界展」中井精也 / 長山一樹 / 野口純一 / 萩原れいこポートレート、風景、野生動物、鉄道など、それぞれ異なるジャンルの第一線で活躍する4名の写真家が、α7R VIで捉えた作品を大判プリントで展示。展示作品では、本誌での未掲載カットも展示。高解像が描き出す“見たことのない世界”を紹介する。全国5カ所のソニーストア内 αプラザギャラリースペースにて開催。展示場所・開催期間:αプラザ札幌:7/18(土)〜7/30(木)αプラザ大阪:8/1(土)〜8/14(金)αプラザ福岡天神:8/8(土)〜8/20(木)αプラザ銀座:9/1(火)〜9/15(火)αプラザ名古屋:9/26(土)〜10/8(木)
OOH 本企画で撮り下ろした山�ア天のポートレイトを、渋谷・道玄坂ハッピーボードAにて期間限定で掲出。α7R VIによる高精細なビジュアルを大判で展開する。 掲出期間:8/31(月)〜9/6(日)
α7R VIスペシャルサイトhttps://www.sony.jp/ichigan/a-universe/special_a7RM6/
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