
鉄道絶景+α
第4回伊豆急行線(静岡県)
鉄道写真家 中井精也 氏
撮影日:12月17日 14時59分伊豆急行線(川奈〜富戸)太平洋に浮かぶ利島・新島まで入れた大パノラマ写真。ここまで列車が小さくても存在感が失われないのは、有効約5,010万画素を誇るα1 IIの高い解像度特性のおかげだ
列車が小さくても安心できる緻密な描写力

ソニーのフラッグシップ機として、華々しく登場したα1 II。実際に使ってみると、描写力もAF性能も大幅に進化していることを感じた。今回は冬空に海の青が映える伊豆急行をα1 IIとともに旅した。前ページの写真を撮影したのは、小室山の頂上。ふもとからリフトに乗ってその頂に立ったとき、僕は思わず息を飲んだ。伊豆の山々の奥にそびえる富士山から、伊豆大島や利島が浮かぶ太平洋の絶景まで見える、まさに360°の大パノラマなのだ。その景色に感動してしばし思いにふけっていた。しかし、ふと気付けば、周りはカップルや海外からの旅行客だらけ。ウフフ、キャッキャと記念写真を撮る人たちの中で、1人だけ本気モードのおじさんはどうしても浮いてしまうが(笑)、もちろん僕は観光に来たわけではない。撮影地を探して下調べをしているときに、ふと目についた小室山の展望動画に、チラッと映った伊豆急行の鉄橋を見逃さなかったのだ。実際に展望台から眺めた鉄橋は、あまりにも遠く小さかった。海と絡めて撮ろうとすると列車はもう豆粒。そんな状況でも、有効約5,010万画素を誇るα1 IIなら、逡巡なく絶景メインの構図にできる。ここまで列車が小さくても列車の存在感が失われないのは、まぎれもなくα1 IIの優れた描写力と高い解像力のおかげだ。僕はカメラのセンサーに対して、それほど高画素を求める方ではなかったが、こういうシーンではフルサイズ・高画素センサーの強みを実感する。新搭載のAIプロセッシングユニットによる被写体認識も試してみたが、認識力の高さとAFの食いつきの良さに驚かされた。撮影時のあらゆるストレスをなくし、常に最高のサポートをしてくれるα1 IIは、まるで熟練の職人のような頼れる存在なのだ。
撮影日:12月17日 7時27分伊豆急行線(伊豆熱川〜片瀬白田)朝日を受けて輝く太平洋と白田川に、列車がシルエットで浮かび上がる。描写が難しい強烈な明暗差のエッジ部分にも不自然さはなく、黒の締まりも抜群だ
撮影日:12月16日 7時06分伊豆急行線(片瀬白田〜伊豆稲取)5,000万画素オーバーでありながら、最高約30コマ/秒という連写性能を誇るα1 IIだから撮れた理想の波のしぶき。優れた瞬発力と圧倒的な描写力が生んだ、まさに決定的な瞬間だ
撮影日:12月16日 11時58分伊豆急行線(片瀬白田〜伊豆稲取)東急時代の塗装に復刻された8000系電車は、かなりレアな存在。そんな貴重な撮影もカメラ任せにできるほど、僕の中でAIプロセッシングユニットの信頼性は高い
撮影日:12月16日 13時26分伊豆急行線(伊豆稲取〜今井浜海岸)α1 IIとFE 28-70mm F2 GMで捉えた絶景。空を映して輝く海の青さも、さっそうと走るサフィール踊り子号の美しさも、現場で見たときよりも鮮やかに感じられる。このレンズはボケの美しさだけでなく、描写力も抜群に良い
<Pickup CAMERA>
α1 II

AIプロセッシングユニットによるリアルタイム認識AF[車/列車]で、海をバックに走る列車を撮影。画面に列車が入った瞬間に認識し、そのままピントを追従し続けた。AIプロセッシングユニット非搭載モデルでは、線路上に測距点を置いて列車を待ち受ける必要があったが、被写体認識を使えば、シャッターボタンを押すだけで、列車にピントを合わせ続けてくれる。熟練の技も必要ないのだ。


列車の正面が電柱に重なっているにもかかわらず、列車が画面に入った瞬間に認識を知らせる緑の四角が表示されている。認識の精度も、AFの食いつきも、格段に良くなった印象だ
<絶景EPISODE>
α1 IIはドラマチックな一瞬を逃さない撮影日:12月15日 16時31分伊豆急行線(片瀬白田〜伊豆稲取)夕日に照らされた雲が、幻想的に輝いていた。明るい雲とシャドウ部を走る列車の明暗差は大きいが、α1 IIの広いダイナミックレンジで破綻することなく描写することができた。もう二度と出合えないであろう自然の美しさ。そのチャンスを逃さないこのカメラは、最高の相棒だ
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