
α9 III まだ見ぬ究極の表現を追い求めて Vol.11
写真家 瀬戸秀美 氏

瀬戸秀美 / 写真家 1948年 福岡県生まれ1972年から『週刊オン・ステージ新聞』で舞台撮影を始める。現在、月刊『ダンスマガジン』にて表紙・グラビアを担当。クラシックバレエの舞台写真を専門に活躍している。1996年「DANCERS」(新書館)、1996年 とんぼの本「これだけは見ておきたいバレエ」(新潮社)、2010年「BALLERINE」草刈民代写真集(幻冬舎)などの写真集を発行する他、写真展として1994年「THE DANCER:瀬戸秀美バレエ写真展」 六本木 麻布美術工芸館、1996年「ジョルジュ・ドン『ボレロ』」 京橋 INAXギャラリー、1996年「ダンサー図鑑」 銀座 キャノンサロン、1998年「DANCERS」 銀座 富士フォトサロン、2023年「孤高の肉体 瀬戸秀美 作品展」ソニーイメージングギャラリー銀座など開催。日本舞台写真家協会 会長・(公社)日本写真家協会会員
舞台写真家待望のグローバルシャッターを搭載したボディα9 IIIが登場した。劇場内では人工光源下での撮影が主になるが、照明の条件によっては度々フリッカー現象が発生し、悩まされてきた。グローバルシャッターでこの問題も解決し、様々な撮影シーンでの可能性が広がった。舞台撮影は多くの場合、撮影場所の移動はできず、公演中は指定された場所(最後列および照明室等)で三脚を使用して長時間の撮影に備えることになる。今回のバレエ作品「ボレロ」では、象徴でもある赤い円卓上で踊るダンサーを表現するため、上手2階にある照明室より三脚をセットした。
Béjart Ballet Lausanne - Boléro, Choreography: Maurice Béjart, Dancers: Mari Ohashi
Béjart Ballet Lausanne - Boléro, Choreography: Maurice Béjart, Dancers: Mari Ohashi
※あらゆるシーンに対応するため、2本を三脚にダブルプレートを使用しセッティング舞台照明・人工光源では、絶対的光量が不足するため、できるだけF値の明るいレンズを使用するようにしている。特筆すべきは連続撮影の速度の豊富さだ。今回は60枚/秒を使用した。ドライブモードがダイヤルで瞬時に変更できるのが便利である。
・すべてJPEG 画像サイズ L・色温度/AWBホワイト優先・クリエイティブルック NT・シャッタースピード 1/500〜1/60・レリーズラグも最速レリーズ/入でほぼシャッターチャンスに違和感はない。もちろんサイレントモードでフリッカーレス撮影/入で安心して高速シャッターも切れる。・ISO 800〜12800使用
◇公演作品「ボレロ」概要「ボレロ」 初演(1961年)モーリス・ベジャール(1927〜2007年)振付鬼才と呼ばれたベジャール氏の数々のバレエ作品の中でも代表的な名作のひとつ。祝祭的要素の強い作品と言われている。赤い円卓の上の主役(大橋真理)「メロディ」と周囲を取り囲むダンサー達(モーリス・ベジャール・バレエ団)「リズム」の鼓動が静から動に、全員のパワーが昇華してクライマックスを迎える。圧倒的なダンサー達の熱気とパワーに同期するようにシャッターを切り続けた。私にとっては、舞台写真家として活動し続ける原動力になった特別なバレエ作品である。
◇公演情報モーリス・ベジャール・バレエ団 2024年日本公演より2024年9月 東京文化会館大ホール
◇撮影協力公益社団法人 日本舞台芸術振興会
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