#SonyAlphaAnimalPortrait Instagram Photo Contest 入賞作品発表

Sony αシリーズ
Instagram アニマルフォトコンテスト入賞作品

JUDGE REVIEW

審査講評

写真家 井上 浩輝 Hiroki Inoue

写真家 井上 浩輝 Hiroki Inoue

想像を超える多くの方々から多くの作品を応募いただき、おどろくととともにとても楽しく、これからの動物写真がいっそう楽しみになっています。応募いただいたみな様、ありがとうございました。今回応募いただいた動物には、哺乳類はもちろん、鳥類も多くありました。中には魚類や昆虫まで!みな様によるこの豊かな被写体選びは、今後の「動物瞳AF」を進化させようと日々奮闘されているソニーの技術者の方々を悩ませることになったかもしれませんが、素敵な生き物を見つけて“撮りたい!”と思ったときにαを使っていて楽しいと思う瞬間が広がっていることを心から願い、期待しています。本コンテストの審査をしているときにもっとも感じたことは、多くのみな様が素敵な瞬間を捉えることができているのに、光と影の印象が薄く、そのためにせっかくの作品がパワーを失っているということが少なくないことです。被写体となるみな様が愛する動物に射す光をよく観察し、ここが素敵!というところに光が入る瞬間を待ちましょう。今や、動物たちの瞳にAFが効く時代ではありますが、光を捉えることが大切であることは、今も昔も変わらず、普遍なものであると思います。ぜひ、動物を撮影するために最高なカメラであるαを手にして、愛する動物たちに光が射す素敵な瞬間を探してみてください。動物写真の世界がさらに素敵に広がることと思います。

優秀賞

(以下、順不同)

「Apprentice wizard」

mendy_hokkaidoさん

数多くの応募作品の中でもっとも目を引く作品でした。冬毛とはいえちょっとふとっちょ風体の杖を持つキツネの風体、そしてその顔つきと目線。加えて光がなんとも不思議な雰囲気を見せてくれています。「Apprentice wizard」、魔法使いの弟子という題名は、この作品にぴったりだったのではないでしょうか。この臨場感は、α7R3という高解像カメラとそれぞれの焦点域においてもしっかりと解像するレンズのSEL100400GMの組み合わせが相乗効果によるものかもしれません。どんな魔法を使ったのか、知りたくなります。  

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撮影カメラ:α7R III
撮影レンズ:FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS

「まっすぐに。」

naata.catさん

フォトコンテストの題名に沿ってど真ん中な表現の作品を多く応募いただいていた中、王道を行くような風格の作品で目を引いたのがこの一枚でした。堂々とした足運びと尻尾、ビシッとピントが合った目をじっと見ていると、かわいさの中に見える精悍さをじわりじわりと感じるような気がします。この一枚に135mmのこの単焦点レンズを選ばれたことは、レンズの特性をよく理解し、仕上がりの想像をしっかりされていたためではないでしょうか。最後に、……僕は、左前足がたまらなく好きです。

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撮影カメラ:α7 III
撮影レンズ:FE 135mm F1.8 GM

「オシドリの親子」

isoboさん

哺乳類を被写体とした応募が多い中、鳥類の作品があるとそれだけでもやや目立つのですが、この作品に心奪われたのは、やはり素敵な瞬間の中に愛が宿っているように感じられたためでした。子のうれしそうな表情も親のしあわせそうな表情も愛にあふれています。もっとも、この作品は強い逆光の中で撮影されており、黒くつぶれがちなオシドリと白く飛びがちな水面との間の仕上げに大変苦労をされたのではないかと思います。ハイライト部分をうまく落とすことができれば、オシドリの親子がいっそうよく見えてくる作品になったのではないかと思います。来年も素敵な光景をたくさん見ることができるといいですね。

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撮影カメラ:α7R III
撮影レンズ:FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS

「Fight!」

kodai_saito_photographyさん

仲の良いキタキツネのカップルの素敵な瞬間が目を引きました。素晴らしい毛並みに美しい目と歯、巻き上がる雪片。この瞬間をしっかりと想定した1/1250秒というシャッター速度の選択が、α9の秒間20コマの連写と相まり、この素敵な作品となったことと思います。良い腕をお持ちだなぁと感心しました。もっとも、「Fight!」という題名からは、戦いとか格闘といったイメージを抱きがちです。お尻の合わせ具合や尻尾の位置関係、相手をしっかり見る彼らの目、後ろに倒した耳などからするに、彼らは交尾をしたあとの素敵な時間を過ごしていることでしょうから、もう少しロマンチックな題名が付けられていたらいっそう素敵だったことと思います。

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撮影カメラ:α9
撮影レンズ:FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS

「田んぼのウミネコ」

r.iri_photoさん

素敵な瞬間を大胆に縦位置にして作品にされている点に惹きつけられました。じっと作品を見ていると、その精細でていねいな描写に加えて、青みを帯びた落ち着いた色味が臨場感を高めてくれます。技術的な点に言及すれば、朝の薄暗い中の緑色に引き立てられた、ウミネコ頭部のもっとも明るい部分から胴体下部の影になる部分に至る豊かな光の表現には素晴らしいものがあります。リフレクションの中にいる虚像とともにあるこの光の遷移は、この作品を楽しむ大きな要素になっていると思います。

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撮影カメラ:α7R II
撮影レンズ:FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS