商品情報・ストアヘッドホン The Headphones Park 開発者インタビュー MDR-EX1000 開発者インタビュー

Engineer's Interview ソニーの新ヘッドホン「MDR-Z1000/EX1000」開発秘話

音のために何でもやる MDR-EX1000

_まず、MDR-EX1000の位置づけやコンセプトについて教えてください。

原音にとことん忠実な究極のモニター音質を目指しつつ、アウトドアでも音楽を楽しめる製品になるよう開発しました。このコンセプトは、MDR-EX90SLから始まり、好評を得てMDR-EX700SLへと発展し、今回のMDR-EX1000に繋がっています。これまでもそうですが、特にMDR-EX1000では、シリーズの集大成として「音のためなら何でもやる」という考え方で、一切妥協の無い最高峰の音質を目指しました。

松尾伴大氏

_詳しくお話を伺う前に、前提となる「モニター」の音質の方向性について教えてください。

このヘッドホンで聞くあのギターが格好いい・・・みたいに、聴く音楽のジャンルや好みなどが固定されないよう、癖の無い原音に忠実な再生を目指しています。あらゆる音源がありのまま素直に聴けるとお考え頂くと良いでしょう。そういった点では、測定器みたいなものかもしれません。

_モニターシリーズの最高峰を目指すにあたり、どのような点に注力されたでしょうか?MDR-EX700SLから受け継いだ点を教えてください。

まず、MDR-EX700SLと同様、大口径直径16mmの振動板を起用し、密閉型バーティカル・イン・ザ・イヤーと呼ぶ方式を基本としています。通常、インナーイヤーヘッドホンの場合、振動板を耳に対して水平な状態に配置しますので、振動板の大きさは、耳の中のくぼみの大きさに制限を受けます。これを縦にする事で、振動板を大きくでき、低音から高音までダイナミックレンジの広い「モニター」としての基本性能を確保できました。音質と装着性を両立するため、最終形状の追い込みには苦労しました。

_MDR-EX700SLとは異なるポイント、新しい取り組みを教えてください。

新しい取り組みとしては、「音質向上のためには何でもやる」というコンセプトから、素材選びも一切妥協しませんでした。例えば、スタジオモニターのMDR-Z1000と同じく、内部損失が大きく原音再生に適したソニー独自の液晶ポリマー振動板を採用したり、筐体には余計な振動を吸収するマグネシウム合金の採用、ケーブルにはとても高価ながら7N-OFCという非常に高純度な銅を用い、信号の伝送ロス低減まで徹底しました。

_究極的な音質の向上と、アウトドアでの使用は、相反するように思うのですが。

そうですね。MDR-EX1000では、アウトドアでモニター音質を楽しんで頂きたいというのが大前提でしたので、その点では苦労しました。新しい取り組みとして、コードを耳に掛けられるイヤーハンガースタイルを採り入れました。屋外で少し動いても安定した装着感を維持するのが主な目的ですが、インナーイヤー式の弱点とも言える、ケーブルが衣服に擦れた音が強く耳に伝わる現象を吸収する役割も担います。装着感と音質向上には密接な関係があり、5代目耳型職人としても腕をふるいました。

5代目 耳型職人。

MDR-EX1000

_耳型職人とは?

ソニーのヘッドホンでは、代々社内の人間の耳型をたくさん採って研究する世襲制度があり、私で5代目となります。実物大の耳の模型を作って研究する事は、装着性や音質向上にとても有用です。実際に、振動板を大きくしたいという欲求も、模型を観察した事で、全く新しいバーティカル・イン・ザ・イヤー方式という発想に至りました。もちろん、沢山の人の内耳や耳の形を多数検討した結果、密着感が高く、騒音の侵入や音漏れを低減する目的で、高さ、幅の異なる7種ものイヤーピースを付属させる事になりました。硬さの異なる素材を組み合わせているのもこだわりです。代々引き継がれる耳型職人によって、音質や装着感は進化を続けているのです。

プロミュージシャンにも使って欲しい自身のクオリティー。

_モニター音質、アウトドアでの装着感のこだわりなどをお伺いすると、プロのステージ用モニターとしても適しているように思うのですが、いかがでしょうか?

MDR-EX1000は、基本的に一般のお客様、とりわけ音楽ファンのアウトドア用途を前提としています。ただ、開発過程では、プロミュージシャンの意見も採り入れました。実は、MDR-EX1000は、少し外界の音も聞くことができる設計になっているのです。ステージ用モニターの多くは、非常に高い遮音性を重視している製品が多いのですが、ミュージシャンの中には、ライブで観客の声や歓声を身近に感じ、一体感を大切にしたいとの要望もありましたので。

松尾伴大氏

_実際に使用されているミュージシャンがいらっしゃるかもしれませんね?

何名かのプロのミュージシャンにも試聴をお願いしていて、「これは使えるなあ」といった感想も頂いております。モニターとしての音質は妥協していませんので、プロの使用にも充分耐えうる製品だと考えています。今後、MDR-EX1000を使ってくれるミュージシャンがたくさん出てくると嬉しいですね。

_MDR-EX600も新しく製品化されましたが、MDR-EX1000との違いを教えてください。

MDR-EX600では、より多くの人々にモニターライクな高音質を楽しんで頂きたく、素材を変更する事で手頃な価格を目指しました。振動板には液晶ポリマーでなく、MLダイアフラム、筐体にはマグネシウム合金でなく、制振ABSといった具合です。直径16mm大口径ドライバーユニットによる高音質化、フレキシブル・イヤーハンガーによる快適で安定した装着性は、MDR-EX1000と MDR-EX600に共通した仕様です。特に、直径16mm大口径ドライバーによるワイドレンジなサウンドはソニー独自のものですので、高品位なモニターサウンドを充分にお楽しみ頂けると思います。

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商品情報

密閉型インナーイヤーレシーバー

MDR-EX1000

原音に忠実な音質と自然な装着感、遮音性を徹底追求。アウトドアで理想的なリスニング環境を提供するEXモニターシリーズ最高位モデル

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